スポーツ&英語留学プログラム再開へ。日本との交流活性化に期待

ニュージーランドと日本

4月20日〜23日の4日間、コロナ禍では初となる外遊で日本を訪問したジャシンダ・アーダーン首相。

キウイフルーツのゼスプリや、トヨタの水素自動車のイベントに出席したり、岸田首相の首脳会談で“intelligence sharing agreement”(情報保護協定)についてを交渉したり、経済面、政治面で精力的に動き、外交手腕を発揮しました。

そして22日には、東京・秩父宮ラグビー場を訪れ、ニュージーランドへの留学についてもアピール。5月2日の水際対策緩和にむけて意欲を見せました。

留学プログラム再開へ

アーダーン首相は東京・秩父宮ラグビー場で、”Game on English”(ゲーム・オン・イングリッシュ)の再開を発表しました。

「ゲーム・オン・イングリッシュ」とは、ニュージーランド政府が2014年に始めた、ラグビーと英語を組み合わせたユニークなプログラム。このプログラムでは、3〜4週間ニュージーランドに滞在し、大学やランゲージスクールで英語を学びながら、ラグビーのトレーニングも行います。本プログラムが開始されて以降、日本から約200人の学生が参加していましたが、コロナ禍に突入した2020年からは中断されていました。

ニュージーランドは今まで厳しく行ってきた水際対策を緩和することを発表しており、アーダーン首相は秩父宮ラグビー場での会見で

ニュージーランドは観光にも、留学にも、スポーツにも最高の国です。私たちは5月2日から、日本からの観光客、留学生を再び迎える準備ができました。
とコメント。 留学だけでなく、観光への期待も示しました。
 
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32年ぶりに留学生と再会

そんなアーダーン首相自身も、実は日本人留学生と縁があったそうです。首相が子供のころ、首相の家族は日本からの交換留学生を受け入れていた経験が。なんと首相官邸はその時の交換留学生、ワタナベ・マドカさんと連絡をとり、大使館で32年ぶりの再会を果たしました。

ワタナベさんは夫と共にアーダーン首相と対面。当時、ワタナベさんは14歳、アーダーン首相は10歳。まさかホームステイ先にいた小さな女の子が、首相になったなんてびっくりですね。

アーダーン首相はワタナベさん夫妻に

私の両親が、ぜひまたニュージーランドにきて欲しいと言っていました。

と、伝えました。

ワタナベさんは滞在中に、木からもぎ取ったりんごをそのまま食べたことが印象に残っているそうで、アーダーン首相は、ワタナベさんに裏の畑でトラクターを運転させた思い出を語り、再会を喜んだようです。

下記サイトからその時の映像を見ることができます。流石にワタナベさんご夫妻は少し緊張されているご様子でした。

今回の再会は、アーダーン首相の母親が、受け入れた交換留学生の情報を大切に保存していたことにより実現したそうです。

2年ぶりの外遊に充実感

23日、日本を出発しニュージーランドへの帰路についたアーダーン首相は、2年ぶりの外遊となった今回のシンガポール・日本訪問について
とても満足しています。(今回の外遊で力をいれた)貿易もとても重要ですし、観光再開とても重要、そして何より、リーダーたちとリアルに対面することができました。
と、コメント。
岸田首相とも、(シンガポールの)リー首相とも、今私たちが抱えている国際的な問題に対し、同じ立ち位置でいることも確認できました。

と、完全に自由にとはいかないコロナ禍での外遊であっても、多くのことをなし得ることができたと語っています。

アーダーン首相は、今年、ヨーロッパやアメリカ、アジア諸国そしてオーストラリアへの外遊も予定しており、ニュージーランド製品輸出のプロモーション、観光客そして留学生の受け入れをアピールする予定です。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
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