インフレが進むニュージーランドで、物価の上昇が人々の暮らしを圧迫しています。先日はコーヒー値上げのニュースが飛び込んできました。
ニュージーランドのワインの魅力をお伝えしているこのサイトですが、実はKiwi(ニュージーランド人)たち、めちゃくちゃコーヒー好きでもあり、ニュージーランドではどこでも美味しいコーヒーが飲めるのです。
この記事ではニュージーランドのコーヒーにまつわるお話と一緒に、値上げのニュースをお届けします。
フラットホワイトは、ニュージーランド発祥?
ごく稀にですが日本でも見かけるようになったFlat White(フラットホワイト)。カフェラテに似た飲み物なのですが、すごくざっくり簡単に言うと、カフェラテよりもコーヒーの味が濃い、ミルクの比率が少ないのがフラットホワイトです。
発祥がニュージーランドなのかオーストラリアなのか、揉めるものはいくつもあるのですが、Flat White(フラットホワイト)もその一つ。
ニュージーランドにゆかりのある人(著者を含む)はこぞって「ニュージーランド発祥!」と言い張りますが、オーストラリアもしかり。このサイトではぜひ、「ニュージーランド発祥」ということで!この投稿をInstagramで見る
スタバが流行らない?!
ニュージーランドには、意外(?)と素敵なカフェが多いということをご存知ですか?
上記の画像のCoffee Supremeは、首都・ウエリントン初のカフェ&焙煎所。日本にも進出しており、渋谷に店舗を構えています。
人口500万人の小さな国なので、決して市場は大きくありませんが、オークランドやウェリントンなどの大きな都市だけでなく、田舎の小さな街でも美味しいコーヒーが飲めるカフェを見つけることができますよ。(私は、牧場が広がるだけの、周りに店など何もない、ど田舎にあった小さなコーヒースタンドでテイクアウトしたコーヒーがおいしくてびっくりした経験があります)
そのせいか、日本ではどんどん店舗数を伸ばしているスターバックスが、ニュージーランドではピーク時の50店舗から徐々に減少、2018年現在で22店舗のみとなっています。
ニュージーランドでスターバックスを運営する企業によると、ニュージーランドではすでにコーヒー文化が強く根付いており、よりパーソナルな接客を行う、ブランド力の高い地元のカフェを相手ににしなければいけなかったのが非常に難しかったとのこと。スターバックスの主な客層である学生や観光客以外に顧客を広げていくのが困難だったそうです。
確かにスタバのご当地カップ、観光客には人気でしょうね。(私も欲しい)この投稿をInstagramで見る
値上げ、でも妥当?
そんなコーヒーを愛するKiwiたちに悪い知らせが。コーヒーがとうとう一杯6ドル(約480円)ちかくにまで値上げされる地域も・・・、と言うニュースが報道されました。新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウンや行動制限などが原因で、すでに経営が苦しい飲食業にとって値上げはさらなる打撃に。しかし、最低賃金の引き上げによる人件費増加、コーヒーや牛乳といった材料の高騰などをうけ、メニューの値上げをせざるを得ない状況です。
ウェリントンにある人気のカフェ、Hangarでは一杯50セント(約45円)の値上げ。フラットホワイトは$5.70(約460円)となるそうです。
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我々業界の間では、フラットホワイトは7ドルくらいが妥当なのではという話がよく出ます。本当にそれくらいが現実的な価格なのですが、市場的には、間を取って6ドルくらいに落ち着いている感じです。ビジネスを継続していくためには値上げはやむを得ません。と、コメントしているのは、カフェを経営するジミー・ファンさん。
昨年12月にコーヒー豆が値上がりしました。牛乳はカフェのオープン当初から2〜3倍になっています。
1例によれば、1杯のコーヒーのうち、人件費は3割を占める31%。29%がコーヒーや牛乳などの材料費、14%が設備費、11%が税金となり、利益は15%。カフェの経営にはなかなか厳しい数字です。
ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が今年の初めに出した予想では今後1年の平均インフレ率が4.4%、昨年の終わりの調査の3.7%と比べ加速しています。
今後2年のインフレ率も加速するとみられており、物価の上昇は今後日本からの旅行者にも影響がでそうです。