中国で猛威をふるい、多くの犠牲者を出しているコロナウイルス。すでにタイや日本をはじめとるアジア各国から、世界中に広がりつつあります。
2020年2月2日、ニュージーランド政府はアメリカ、オーストラリアに引き続き、中国に滞在、または中国を経由した旅行者を入国させないことを決定。
期間限定となるこの処置は、ニュージーランドの永住権を持たないすべての旅行者に適用。水際でのウイルスの阻止を狙います。
この決定は2月3日の月曜日に有効となります。14日間の予定ですが、48時間ごとに状況が確認され、それに応じて延期の決定がなされます。
ニュージーランド人救出作戦
今回の処置は大きく3つ。
- 2月3日(NZ時間)以降に中国本土出発または経由した、すべての外国人旅行客の入国を拒否
- 2月2日(同)にNZに到着した全ての外国人旅行者は、厳しい検査を通過した上で入国を許可
- NZの国籍または永住権を持つ人は入国を許可されるが、自宅などで14日間隔離
ニュージーランド人を帰国させるための政府チャーター便に乗るAir New Zealand(ニュージーランド航空)のクルーたちは事前に香港に到着。仕事の経験が豊富、かつとくに健康なクルーが10名選別され、十分な休養を取ったのち、18〜19時間にわたる武漢からオークランドへのフライトに搭乗。ニュージーランド航空のクルーが武漢に降りるのは初めてのこと。4人のパイロットを中心に念入りに準備が進められたとか。
パイロットたちはニュージーランド出発前にフライトシュミレーターを使い、武漢発着や、あらゆる事態を想定した訓練を受けたとのこと。
この武漢からのフライトには医者と政府からのスタッフも搭乗。またニュージーランドに帰国後、機内は徹底的に清掃・消毒され、コロナウイルスの徹底排除を狙います。
入国拒否なのに飛行機は着陸
Coronavirus: Customs closes eGates; China travellers blocked
政府の決定が急だったためか、飛行機は入国拒否が発動された2月3日午前にもまだNZに着陸。
それらの飛行機に登場していた旅行者に対し、対人による入国審査が開始されています。いつもは機械での入国審査が受けられるニュージーランドの国籍・永住権を持つ旅行者も、全員が対人での審査が課せられているため、しばらく混雑が続きそうです。
↓ 対人での入国審査をお願いするニュージーランド税関のツイート
Coronavirus update: All travellers entering New Zealand will now be required to be individually manually processed (including NZ citizens, permanent residents or their families)and no travellers will be allowed to use eGates.
— New Zealand Customs Service (@NZ_Customs) February 2, 2020
現在、ニュージーランドから出国する旅行者に対しても、時間にじゅうぶんな余裕を持ってチェックインをするよう、呼びかけられています。
ニュージーランドでの感染者は?
現在ニュージーランド国内ではコロナウイルスの感染者は発見されていません(2/3現在)が、1月31日にオークランド病院で、感染の可能性のある患者がいると発表されました。
この患者は自ら体調不良を訴え、オークランド市立病院にて隔離。現在も特に発表はないため、今のところ、感染は確認できていないようです。
Coronavirus: Suspected case of virus in Auckland hospital, health boss confirms
一時的な中国からの入国拒否で、ニュージーランドはコロナウイルスをシャットアウトすることができるのでしょうか。
ニュージーランドの大きな産業である観光業は、中国からの観光客によって支えられています。大学などの教育機関において大きな収入源の一つである外国人留学生も、中国からの人々が多くを占めている状態。
コロナウイルスが終息に向かわないと、経済的打撃も大きくなりそうです。