自然を満喫できる観光地として人気のニュージーランド。
もちろん星空も例外ではありません。南島の中心に位置する「テカポ」という人口1,000人にも満たない小さな町は、美しい「テカポ湖」も有名ですが、その星空も世界一と称されています。
そんなニュージーランド、実はオーロラを見ることもできるのです!そして、今週は特にオーロラの動きが活発になるのではと予想されています。
南極のオーロラ
オーロラの観測地としては、北欧やグリーンランド、アイスランドやアラスカなどが有名ですが、オーロラは天体の極域近辺で見られる大気の発光現象なので、もちろん北極近くだけではなく、南極に近いニュージーランドやオーストラリアでも見ることができます。
北極のオーロラはNorthern Lights(ノーザンライツ、北極光)またはAurora Borealis(オーロラ・ボレアリス)と呼ばれるのに対し、南極のオーロラはSouthern Lights(サザンライツ、南極光)またはAurora Australis(オーロラ・オーストラリス、南天オーロラ)と呼ばれています。
ニュージーランドでは、テカポ湖をはじめ、南島南端のオタゴ半島、南島の南東の角にある地域、ザ・キャットリンズ、南島の更に南の島、スチュアート島がオーロラの観測地として有名です。
こちらは先月末にスチュアート島で撮影されたオーロラです。
太陽活動が“極大”に
ニュージーランドでは今週、特にオーロラが多く観測できるのではと期待されています。それは今週、11年ごとの太陽周期の中で、太陽活動が極大になる「太陽活動極大期」に入るからであるそう。
また、大きな太陽フレアが発生したときにおこる電磁波や粒子線、粒子が含まれる太陽嵐によって、南極光だけでなく、北極光も活発になっているそうです。ニュージーランドでは、先月の終わりからニュージーランド南部を中心にオーロラが観測されています。
2月28日のニュースではニュージーランドの人気観光地、クイーンズタウンから更に南西にあるアイヴォン・ウィルソン・リクリエーショナル保護区で観測されたオーロラの写真が紹介されています。
▶︎How New Zealand photographers captured the Aurora(NZのフォトグラファーがどうオーロラをとらえたか)
またこちらの記事では、なんと北島のウエリントンで観測されたオーロラについて紹介されています。1月末に首都ウエリントンの南東にあるワヒネ記念公園でオーロラが撮影できたとのこと。
▶︎Natural light show as Aurora Australis sets Wellington’s south coast aglow(ウエリントン南沖で南天オーロラ輝く)
長年オーロラの観測や撮影を行っている人や、専門家も口々に今年のオーロラの素晴らしさを語っています。
5つ目の星空保護区
ウエリントン北東に位置する「南ワイララパ地区」および「カータートン地区」が、今年に入ってニュージーランド5つ目となる星空保護区“ワイララパ・ダークスカイ・リザーブ”に認定されました。
これはアメリカで設立された非営利団体、国際ダークスカイ協会(IDA: International Dark-Sky Association)が行っている、光害のない美しい夜空を保護するための取り組みで、星空保護区認定制度に基づき「星空保護区」を指定しています。
ニュージーランドはこれまでに、700㎢以上の面積を有する公有地・私有地が認定対象となる“ダークスカイ・リザーブ”にテカポ湖やマウントクック国立公園を含む「カンタベリー地域」が、“アオラキ・マッケンジー・ダークスカイ・リザーブ”として認定されています。そして“ダークスカイ・リザーブ”のカテゴリーでは、今回の“ワイララパ・ダークスカイ・リザーブ”が2つ目の認定となりました。
また周辺に屋外照明がなく、隔絶された場所で暗い環境が保たれている“ダークスカイ・サンクチュアリ”には、ブレート・バリア島の「アオテア」、スチュアート島の「ラキウラ」が認定されています。
さらに、自然公園、森林公園が対象となる“ダーク・スカイパーク”には、ネルソンにある「ワイ・イティ・レクリエーション・リザーブ」の3地域が認定されています。