ニュージーランド、5年に一度の国勢調査がスタート

石黒さんニュース

ニュージーランド政府が5年に一度行う国勢調査がスタートしました。国勢調査では人口や性別、人種、年齢ごとの分布など、どんな人がニュージーランドに住んでいるのかが調査され、国や行政による公共事業の計画や運営などに役立てられます。

今回の国勢調査、海外でもちょっとしたニュースになっています。詳しく見ていきましょう。

3月7日は国勢調査の日

国勢調査は3月7日の夜の時点で、ニュージーランドにいるすべての人を対象に行われます。これは国籍や永住権の有無、滞在ビザのステータスなどは一切関係なく、短期滞在中の旅行者も対象となり、とにかくニュージーランドにいる人全員が調査の対象になります。そして、回答用紙の返送またはオンラインでの回答が求められ、回答しない場合は罰金の対象になります。

逆にニュージーランド国民であっても、この日国内にいなければ回答は不要です。

そしてこの調査は、「人」だけでなく「住居」も対象になっており、すべての「人が居住できる建物」に対しても調査が入ります。なのでその住居に送られてきた回答用紙に、代表者が誰がどれくらいの期間住んでいるのかなどを記入する必要があります。

自分で記入できない高齢者や障害者、子供は、家族または同居する人が記入するなど、サポートを受けることもできます。

回答用紙はすでに配布が始まっており、手元に届き次第回答が可能ですが、なるべく3月7日に答えるように呼びかけられています。

ハリー・スタイルズも調査対象に

現在は活動休止中のイギリスのボーイズバンド、One Direction(ワン・ダイレクション)のメンバーで、ソロとして世界的に大活躍しているHarry Styles(ハリー・スタイルズ)も、今回この国勢調査の対象となり、CNNやワシントン・ポストなど、世界の大手メディアがニュースにしています。

▶︎Harry Styles required to provide personal information for New Zealand census(ハリー・スタイルズ、ニュージーランドの国勢調査で個人情報の提供が必須に)

ハリー・スタイルズは、現在オーストラリアとニュージーランドをまわる世界ツアーの真っ最中。そして国勢調査が行われる3月7日の夜にはオークランドでライブを行う予定。そのため今回の国勢調査の対象となってしまったのです。

回答が求められる質問は、一緒に住んでいる人、喫煙するか、性自認、性同一性、そして収入など・・・。もちろん、回答した内容は機密情報として厳重に守られます。

サイクロンの影響は?

ニュージーランドが初めて国勢調査を多なったのは1851年。1877年からは5年おきに実施されていますが、何度か例外もありました。

2011年の国勢調査はマグニチュード6.3の地震で185人が犠牲となり延期に。1941年には第二次世界大戦、1931年には大恐慌を理由に中止となっています。

そして今回の2023年国勢調査も、北島を襲ったサイクロンによる影響で参加が難しい人が出てきています。未曾有の災害となりましたが、調査を中止とはせず、サイクロンの被害を請けた人たちにはは3月7日以降の締切の延長を認め、サポートをするとしています。

前回の2018年の国勢調査の結果はニュージーランド統計局のホームページで公開されています。

▶︎Stats NZ Tatauranga Aotearoa | 2018 Census data about New Zealand

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
1 / 4