ニュージーランドを象徴する鳥「キーウィ(Kiwi)」。現在は数が激減しており、絶滅危惧種に指定されています。そのため、ニュージーランドではキーウィを保護し、その数を増やそうとする活動が活発に行われています。
そんな活動の一つが実を結び、首都ウエリントンエリアで約150年ぶりにキーウィの卵が発見されました。
ウエリントンエリアでは150年ぶりの発見!
昨年11月、ウエリントンの西端のエリアMakara(マカラ)で、キーウィの天敵である有害な哺乳類を駆除する大掛かりなプロジェクトが行われました。その後、キーウィが生息するための安全性が確認できたため、ノースアイランド・ブラウン・キーウィ(キーウィの種類の1つ)が11羽放たれました。
この活動を行っているのはCapital Kiwi Project。ウエリントン地方のキーウィの数を増やすべく、保護と繁殖活動に力を入れています。
Capital Kiwiによると、保護生活を送っていたキーウィたちが自然の環境下でどのように過ごしているのかを注意深くモニターしているとのこと。全羽の足には発信機が付けられており、それを毎週チェックしています。
現在、Makaraに放たれたキーウィは全羽しっかり食べ、元気に過ごしているということ。そして、最新の調査でなんとキーウィの卵が発見されました!
このエリアでは、自然な環境の中で卵が産み落とされたのはかなり久しぶりのことです。これはこのプロジェクトに取り組むメンバーだけでなく、サポートをしてくれている皆さん、そして地域の皆さんにとっても、新年からとても良いニュースです。
と語るのは、プロジェクトを率いているワードさん。記録によるとなんと卵が発見されるのは1870年以来、150年以上ぶりとのこと。
もちろん孵化しないとキーウィの数としてはカウントできませんが、卵が見つかったのはとても大きなニュースです。とても興奮しています。
と、コメントしています。
ちなみに、飼い主の手を離れてしまった犬や野犬など、犬はキーウィの脅威になりがちなのですが、訓練された犬がキーウィの保護を手伝うこともあります。
こちらは、Capital Kiwiに新しく加わった子犬のBay。
これから自然保護権としての訓練を受け、キーウィを見つけたり、キーウィの天敵となる有害哺乳類を見つけたりと、活躍してくれる予定です。
キーウィの雛が道端で発見される
もう一つ、キーウィ関連のニュースがありました。
生まれて間もないキーウィの雛が、オークランドの北に位置するエリア「ノースランド」の道端で発見されました。雛はまだ卵の殻を背中につけた状態で少し濡れていて、体が冷えた危険な状態でした。
でもラッキーだったのは、この雛を発見したのが、キーウィの扱いにも慣れている自然保護官であったということです。自然保護官のキャメロン・マッキネスさんは、娘さんと川に泳ぎに行った後の帰り道でこのキーウィの雛を発見しました。
マッキネスさんは、雛を発見するとすぐに抱き上げ、胸の辺りで温めながら自宅に急ぎ、すぐに近くにある野鳥保護センターに連絡しました。そのおかげで、雛はいち早くセンターに運ばれ、検査を受けることができました。幸いにも雛に大きな怪我はなく、同じように保護された別の雛と一緒に、仲良く温かい保護器の中で休んでいるということです。
マッキネスさんは、その後すぐに雛を発見したエリアを調査し、雛の巣を探しました。すると、もう一つの卵を抱えるキーウィの親鳥を発見したということです。最初に道に雛が居たのは、巣があまり丈夫にできておらず、落下してしまったためであると推測しています。
保護された雛は、数週間はセンターで経過を観察し、その後自然に返される予定です。
マッキネスさんは、
Kiwiは思わぬところにいる。今回の出来事は犬の散歩の時は、飼い主がすぐにコントロールできるよう、必ずリードをつけたほうがいいという良い教訓だと思います。
と、人々に呼びかけています。