ニュージーランドワインラバーズにとって、少し心配なニュースが入ってきました。
ニュージーランドワインは、世界で大人気!
日本では、まだまだ輸入量が少ないニュージーランドワインですが、実は世界では高い人気があります。 2020年のデータによると、世界で最も多くワインを輸入しているのがアメリカであり、全世界の16.9%を占めています。
そのアメリカが、イタリア、フランスに次いで多くワインを輸入しているのがニュージーランドなのです。前年比では、イタリアからが1.7%、フランスからは19.9%、輸入額がダウンしているのにもかかわらず、ニュージーランドは5.4%アップしていました。 アメリカの次に多く輸入をしているのがイギリス。こちらでもニュージーランドワインの輸入量は、フランス、イタリア、オーストラリアに次ぎ、第4位にランクインしており、高い人気を誇っています。
前年比で見ると、なんと13.1%も輸入額が増えています。 こんな現状もあり、今後もニュージーランドではワインの輸出量が増えていく見込み。しかし、困ったことに2021年はぶどうが不作だったのです・・・。
ぶどうの収穫量が減少
2002年に設立されたニュージーランドのぶどう及びワイン業界のための組織、New Zealand Winegrowers(ニュージーランドワイングロウワーズ)のChair(委員長、議長といった役職)、クリヴ・ジョーンズさんは私たちは国際的にニュージーランドワインへの需要がどんどん高まっているのを実感しています。が、同時にワイン不足に直面しています
とコメント。 今年は昨年に比べ、ぶどうの収穫量が19%も減少。気候に恵まれなかったのが原因で、ある地域では、真夏にヒョウが降るなどかなりの悪天候だった所もありました。
品種別に見ると、ニュージーランドのワイン生産量の4分の3を占めるソーヴィニヨン・ブランは18%生産量を落とし、ピノ・グリは27%、ピノ・ノワールはなんと34%も減少しています。
さらに詳しい今年の収穫量に関する記事はこちら
▶NZのワイン用ぶどう2021年「年間収穫量ランキング」発表!今年は大幅減
ジョーンズさんは、ワイナリーの多くがぶどう不足で、空のワイン樽を持て余すだろうと予想し、国民がそれぞれ気に入っているワインが飲めない可能性も出てくると懸念を示しました。
人手不足も深刻
コロナ禍で、長期にわたり入国規制を行っているニュージーランドにとって、人手不足は深刻な問題です。特に農作物の収穫は海外からの労働者に頼ってきたため、果物の収穫が間に合わないことが以前からニュースになっていました。
ぶどうも例外ではありません。 マールボロ地方では、人手が足らず、約10%のぶどうの木の剪定が間に合わなかったとのこと。これは来シーズンの収穫高にも影響が出るのではと心配されており、
今シーズンは、ワインづくりが始まって以来、ぶどうの剪定が必要な時期までに終わらなかった。と、関係者が語っています。
NZのワイナリーがチリのぶどうを使用
そんな中、このぶどう不足の問題をなんとかしようと、マールボロ地方にあるワイナリー、マッド・ハウスは、なんとチリからソーヴィニヨン・ブランのぶどうを輸入し、ワインをつくりました。
チリで栽培されたぶどうが、ニュージーランドでワインとなるのです。 お味が気になるところですが、こちらは残念ながらイギリスとヨーロッパ向けの商品。
日本どころかニュージーランド国内でも販売されないようです。 このワイン不足は当然、価格の高騰を招いてしまいますが、各ワイナリーはニュージーランド国内での値上げには慎重な様子。
価格を上げ過ぎて、ワイン売り場の棚に並べて貰えなくなるのは避けたいと語るワイナリーも。確かにKiwiたちは、水のようにワインを飲むといっても過言ではなく、NZではリーズナブルで美味しいワインの品揃えはかなり豊富です。 このワイン不足が、今後、輸出用ワインの値上がりにつながらないことを祈るばかりです。