南島オタゴ半島にある、世界でも珍しいアルバトロス(アホウドリ)の生息地から、24時間配信されている雛、Tiaki。この配信は2016年にスタート、毎年1羽の雛が選ばれ、その成長の様子をライブ配信で見ることができます。
この生息地にはTiakiのほか、30羽の雛たちがおり、Tiakiの近くにいる雛たちはカメラに映ることもしばしば。ここ2ヶ月ほどは、Tiakiとその隣に住む雛、SSTrigが喧嘩をする姿が見られることも度々ありました。
また、大きく成長した羽を大きく広げ、飛ぶ練習をする様子も。初めは巣から数歩だけ歩くのがやっとだったのが、行動範囲も100m以上になり、時にはカメラに雛の姿がないこともありました。
雛たちは親鳥たちと自然保護官に見守られながらすくすくと成長。孵化から8ヶ月以上たった、9月6日、とうとう1羽目の雛の巣立ちが確認されました。
SSTrigの巣立ちが映像に
残念ながら巣立ち第一号となった雛は映像にはおさまらず、次の日アルバトロスセンターのSNSで報告があがりましたが、Tiakiの隣の巣にいたSSTrigの巣立ちはしっかりと映像に残りました。
画面の右下でゆっくりと宙に浮かび、そして一気に飛び立ちました。一度飛び立つと巣には戻らないそうで、これからニュージーランドの西側の海で、餌を採る練習をした後、チリに向かいます。それにしても、誰かに狩の仕方や、どこに向かうかを教えてもらうわけでもないのに、動物の本能は不思議ですね。
Tiaki、GPSを装着
さて、このライブ配信の主人公、Tiakiは9月19日現在、まだ飛び立っていません。Tiakiのほか、17羽のアルバトロスたちの巣立ちが待たれています。
Tiakiはアルバトロスの雛として初めて、羽根にGPSを装着。どこを飛んでいるか、Webサイトで確認することができます。
▶ Royal Cam Parents – Wildlife Computers Portal
青い線がTiaki(飛び立たないと精度が上がらないそう)、赤い線はTiakiのお父さん、LGKのGPS。お母さんのLGLも付けていましたが、今シーズン中に壊れてしまいました。
Tiakiは体重が9Kgほどあるのですが、このGPSはたった20g。また背中の羽根に付けられているため、羽が生え変わる一年ほどで外れてしまいますが、それまではTiakiがどこを飛んでいるのかがわかります。
自然保護官のTheoさんにGPSを付けられたTiaki。こうしてみると、アルバトロスのサイズ感がよくわかりますね!
今シーズン1羽目のアルバトロスが帰郷
これから春を迎えるニュージーランド。2021~2022年シーズン1羽目のアルバトロスが、生息地に戻ってきました!
このアルバトロスは通称YL(YellowとLimeの色の個体識別のバンドを足につけているため)と呼ばれ、ここ4年間、生息地では確認されていなかったとのこと。
アルバトロスは巣立ちから大体3〜5年で生まれ故郷に帰ってくるので、これが初めての帰郷と見られます。アルバトロスは40年は生きる寿命の長い海鳥なので、4歳はまだまだ若く、子作りは大体8歳くらいから始まるそうです。
生息地にあるアルバトロスセンターでは、シーズン1羽目のアルバトロスが帰郷すると、鐘を鳴らしてお祝いするのが伝統だそうです。
これから続々と、アルバトロスたちがこの生息地に帰ってくる予定。2年ごとに子作りをするアルバトロスのつがいは11月から12月にかけて卵を産み、雄雌が順番に温めます。1月には来シーズン、ライブ配信される雛が決定する予定です。
Tiakiは9月20日で産まれて239日。
9/19 12:23
— RoyalAlbatrossCam (@RoyAlbatrossCam) September 19, 2021
Tiaki at the Top Track.#RoyalCam chick was briefly back in her spot, following RLK. He returned, perhaps for a rest, but never quiet with Tiaki around.
Quite the chatty chick, & she is good with her sky calls too.
Grown up now.https://t.co/9A481yiiom pic.twitter.com/YMJTemr0KA
もういつ飛び立ってもおかしくありません! 昨年の配信の雛はある日画面から歩いて消え、それっきりになってしまったので、Tiakiは無事巣立ちが映像におさまりますように。