Commonwealth(コモンウェルス)加盟国が集い、4年に一度開催されるスポーツ競技大会Commonwealth Games(コモンウェルスゲームズ)が、イギリスのバーミンガムで7月28日〜8月9日まで開催されました。
コモンウェルス加盟国であるニュージーランドからも、233名のアスリートが参加し、素晴らしい成果を挙げました!
そもそもCommonwealthって?
Commonwealth(コモンウェルス)とは、Commonwealth of Nations(コモンウェルス・オブ・ネイションズ)の通称で、日本語ではイギリス連邦と呼ばれています。
Commonwealthは、もともとはイギリスの植民地だった国々が、それぞれ独立した国・地域として集まって構成された経済同盟。New Zealand Ministry of Foreign Affairs and Trade(NZ外務貿易省)のWebサイトによると、コモンウェルスとは参加国の平和と繁栄を推進し、小国の経済や法律、選挙制度、人権を守り、支え合うための同盟とされています。
コモンウェルス(イギリス連邦)には現在56の国が加盟しています。そのうち、ニュージーランドを含む16ヶ国は立憲君主制国家であり、現在はイギリス・エリザベス女王が国家君主を務めています。また、6ヶ国が独自の君主を持ち、34ヶ国が共和国です。ちなみにガボン共和国とトーゴ共和国は、今年の6月に加盟したばかりです。(NZ外務省や英国王室などのWebサイトは、加盟国数が筆者確認時、54のままになっていました。)
加盟国間での法的な義務はありませんが、2012年に定められたThe Commonwealth Charter(コモンウェルス憲章)によって、「民主主義」「人権」そして「法の支配」という3つの価値観を共有しています。そして、その価値観を改めて認識し合い推進するという目的で開催されているのが、コモンウェルスゲームズなのです。
多様性に富んだNZチーム
第22回大会となるコモンウェルスゲームズ2022は、7月29日から8月9日までの期間、イングランド第二の都市Birmingham(バーミンガム)で開催され、今回の大会には72の国と地域から、約4500人のアスリートが参加しました。
ちなみに、コモンウェルスの加盟国は56ヶ国なのに、なぜ72もの国と地域が参加しているのかというと、例えばイギリスでは、イングランド、スコットランド、アイルランド、ウェールズに分かれて参加していたりするからです。
ニュージーランドでは、1974年にクライストチャーチ、1950年、1990年にオークランドで過去に3回開催されています。
ニュージーランドからは総勢233名のアスリートが今大会に参加しました。そして、そのうちの125名が女性アスリートでした。全体の54%を女性アスリートが占め、これはコモンウェルスゲームズだけでなく、オリンピックも含める全ての大会で最も多い割合となりました。
また、アスリートたちのルーツも様々でした。サモア、トンガ、クック島、フィージー、フィリピン、中国、オーストラリア、ヨーロッパ、アフリカなど多様性に飛んだルーツを持つアスリートが集まり、全体の20%がマオリ系となりました。
そして年齢層も幅広いものに。一番若いアスリートが16歳、飛び込みのMaggie Squire選手。そして、一番年上が、なんと75歳、ローンボウルズ(芝の上で目標をめがけて球を転がす競技)の、Sue Curran選手。
Curren選手は
“他のチームメイトよりちょっと年上だけど(笑)、まだこうして代表になれるのはとても素晴らしいこと。”
とコメントしていました。
NZの金メダル獲得数は過去最多の20個
ニュージーランドは今大会で、合計49のメダルを獲得。そのうち、20個が金メダルで、今までのコモンウェルスゲームズで過去最多の金メダル数になりました!
大活躍したのは自転車チーム。10個の金、5個の銀、2個の銅と、合計17個のメダルを獲得しました。
その中でも、Aaron Gate選手はチームパシュート、個人パシュート、ポイントレースそしてロードレースの4つの自転車レースでメダルを獲得。一人の選手が一大会獲得した最も多い金メダル数となりました。Gate選手は、閉会式で旗手も務めました。
競泳も、9個ものメダル獲得。うち5個が金メダルと、コモンウェルスゲームズ史上最も多い金メダル獲得数に。Lewis Clareburt選手は400m個人メドレー、200mバタフライで金、200m個人メドレーで銅メダルと、3つのメダルを獲得しました。
スカッシュチームも大健闘。Paul Coll選手は、NZスカッシュ選手として初めて男子シングルで金メダル。またJoelle King選手とともに男女個混合ダブルスでも金メダルでした。King選手は女子ダブルスでも金メダルを獲得しています。
次回のコモンウェルスゲームズは2026年、オーストラリア・ビクトリア州で開催予定です。