日本では今年記録的な早さの梅雨明けや酷暑が話題になり、イギリスでも観測史上初となる40℃超えを記録するなど、世界の国々で異常気象が起こっています。
2022年上半期6ヶ月間の気温が、過去2番目の温かさを記録したことが発表されました。
2022上半期は、2016年に次ぐ過去2番目の温かさ
ニュージーランドのNIWAから、2022年1月から6月までの気温が、2016年に次いで、2番目に高かったことが発表されました。
NIWAとは”The National Institute of Water and Atmospheric Research”の略で、環境科学を広い分野でリサーチ、研究している機関。主に政府からの資金で運営されていますが、独立した企業です。
南半球のニュージーランドは日本と季節が逆であるため1〜2月は夏、3〜5月は秋、6月は冬です。
1月から6月の平均気温は15℃でしたが、これは1981年から2010年の長期的な平均気温と比べると1.2℃高かったとのこと。一番温かかった2016年は平均より1.4℃高かったと記録されています。
2021年が最も温かった年に
NIWAには1909年から始まった”Seven Station Temperature Series”と呼ばれる気温の記録があります。これはAuckland、Masterton、Wellington、Hokitika、Nelson、Lincoln、Dunedinの7つの都市の気温を記録しているもの。地理的な理由と、すべての都市で1909年までには観測がスタートしていたことから、この7つの都市が選ばれています。
こちらの記録によると、ここ100年でニュージーランドの年間平均気温が1℃上昇しているとのこと。1℃というと「そんなに大きな上昇ではない?」と思われる方もいるかも知れませんが、1.5℃以上の上昇で、酷暑、干ばつによる健康被害の増加や感染症の拡大、そして生物の生態系にも大きな影響を及ぼすといわれています。
ちなみに昨年2021年の上半期は、9番目の暖かさであったものの、下半期の気温の上昇により、ニュージーランドの記録史上、最も温かかった年となりました。
大雨や暴風も
日本でも最近特に多い「豪雨」。それはニュージーランドでも起こっています。
7月はクライストチャーチで観測史上最も降水量が多くなる見込み。また南島とウェリントンで豪雨と暴風が記録され、洪水の被害が出た所も。
有名な観光スポットの一つ、マウント・クックでも先週、約1ヶ月の降水量が24時間で降り、1928年の観測開始以来3番目に降水量が多い日となりました。
こちらはニュージーランドの一番人気の観光スポットといっても過言ではない、南島・クイーンズタウン近くの「ミルフォード・サウンド」。
7月16日と18日の写真が比較されています。この2枚の写真が撮影された間に180mmもの雨が降り、右の写真では多くの滝が流れていることがわかります。
そんな異常気象は観光にも影響を及ぼしています。ニュージーランドといえば、大自然を満喫できるトレッキングが人気で、国中に様々なコースがあります。しかし、悪天候が土砂崩れや橋崩落等を引き起こし、コースが閉鎖されることも。
多くの雨が降り大荒れの天気でスタートしたニュージーランドの下半期。NIWAの気象学者で気象予報士のBen Nollさんによると、下半期の気温も平年を上回り、温かくなるだろうとのことです。