8月18日、6ヶ月ぶりに新型コロナウイルスの市中感染が発生したニュージーランドは、即ロックダウンを決行。今回はデルタ株による感染拡大で、8月26日の新規感染者数は68人に。北島のオークランドで263人、そして首都のウェリントンで14人が確認され、先週以降の感染者数は国全体で累計277名となりました。
政府は、当初3日間としていたロックダウンを27日金曜日まで延長することを決定。スーパー、コンビニ、薬局、ガソリンスタンド、病院といった必要最低限の商業、公共施設を残し、全てのビジネス、学校が閉鎖されています。現在の感染拡大からみて、再度延長される可能性が高そうです。
陽性者が訪れた場所を公開
ニュージーランドでは陽性者の行動を追跡し、訪れた場所495箇所をリストにして公開。リストにある場所を訪問した場合、どうするべきかの指示も書かれています。例えばオークランド大学のある講義室に8月13日の12時から14時にいた場合、
「14日間自宅で自主的に隔離すること。すぐに検査を受け、さらに5日後、12日後にも再検査を受けること。ヘルスライン(保健所のような連絡先)に電話をし、指示を仰ぐこと」
と言った感じです。
場所によっては隔離ではなく
「14日間、症状が出ないか経過を観察すること、症状が出たらすぐに検査を受けること」
と言った指示の場合も。
現在2,442人の濃厚接触者が確認されており、そのうちの65%がすでに連絡済みまたは自主隔離済みとのこと。また、陽性者のうち、154件のゲノム解析が完了しており、すべて現状のクラスターとの関連が確認されています。
ロックダウンの有効性を主張
ジャシンダ・アーダーン首相は、陽性者が訪れた場所が500箇所近いのにもかかわらず、そのうちの13箇所からしか陽性者が出ていないことをあげ、ニュージーランドの国民がロックダウンに応じていることを強調。
ロックダウンが大きな効果を生んでいる
とコメント。
しかし、このデルタ株が非常に厄介なものと懸念を示し、
現状の陽性者の数は決して想定外のものではない。我々はさらに警戒する必要がある。デルタ株はコロナ禍の状況を変えてしまった。
と、陽性者の数が減少するにはまだしばらくかかるだろうと語りました。
アーダーン首相はロックダウン延長を発表した日の夜、自宅から私服でFacebookライブを配信。自身の言葉でロックダウン延長について語り、質問にも答えました。また、ワクチンの重要性を語り、接種を呼びかけました。スタッフが誰もいない状態で、一人での配信。うっかり失言、なんてことがないアーダーン首相だからこそできることですね。
パラリンピック開会式を欠席
日本でも感染が拡大する中、8月24日、パラリンピックが開幕しました。ニュージーランドも選手団を日本に派遣。29人のアスリートと、37人のサポートスタッフが東京に到着しました。
しかし、「コロナ感染防止対策の徹底と選手と関係者の安全を守るため」と、8月24日に行われた開会式は欠席。
かわりにニュージーランド選手団のみが集まり、開会を祝いました。本来であれば、開会式で旗手を務めるポジションの代わりに、Sophie Pascoe(ソフィー・パスクー)とWilliam Stedman (ウイリアム・ステッドマン)の二人の選手を選手団のリーダーに選出。この投稿をInstagramで見る
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パスクー選手は競泳で代表として出場。今までに金9個、銀6個とニュージーランドのパラアスリートのなかで最も多くのメダルを獲得しています。ステッドマン選手は前回のリオパラリンピックで陸上400mと800mで2つの銅メダルを獲得。ともに注目選手です。
そのパスクー選手、パラリンピックニュージーランドメダル第一号に! 平泳ぎ100mで見事銀メダルに輝きました! 2008年の北京から、ロンドン、リオと今回4回目のパラリンピックで、16個目のメダル獲得となりました。
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