日本で開催されたラグビーワールドカップ後、長年オールブラックスに関わり、三度のワールドカップを経て引退したスティーブ・ハンセンの後を継ぐ、新たなヘッドコーチの人選に注目が集まっていましたが、2012年からAll BlacksのアシスタントコーチをつとめていたIan Foster(イアン・フォスター)のヘッドコーチ就任が決定しました。
→ IAN FOSTER APPOINTED ALL BLACKS HEAD COACH(イアン・フォスター、All Blacksのヘッドコーチに任命される)
新ヘッドコーチ、イアン・フォスターって誰?
イアン・フォスターはもちろんNZ、Hamilton(ハミルトン)出身の54歳。現役時代はWaikato(ワイカト)やChiefs(チーフス)でプレイ。現役引退後は、それらのチームでコーチをつとめ、2012年からスティーブ・ハンセンの下で8年間、オールブラックスのアシスタントコーチとしてチームを支えました。
スティーブ・ハンセンも、2004年から2011年の間ヘッドコーチだったSir Graham Henry(サー・グラハム・ヘンリー)の下でアシスタントコーチをつとめており、アシスタントコーチからヘッドコーチへという、オールブラックスでコーチとしてのキャリアを積むことが前提のようなキャリアパスが続いていました。
そのため、そろそろオールブラックスに新しい風を吹き込む必要があるのではという声も少なくなく、日本代表のヘッドコーチ、ジェイミー・ジョセフも候補に上がっていたという噂も。最終的にはNZ最強チームのCrusadersコーチ、Scott Robertson(スコット・ロバートソン)との一騎打ちとなったあと、フォスターに決定。
フォスターのヘッドコーチ就任に批判的な声も少なくないニュージーランドですが、ハンセンは「自分が就任した時もそうだった」と自身の経験も振り返りながら「Fossie(フォスターの愛称)は素晴らしいコーチ。もっと彼の就任に敬意を表するべきだ」と、フォスターを応援するコメントを出しています。
また、日本のヘッドコーチをつとめ、今回のワールドカップではオールブラックスを破り、イングランドを決勝に導いたエディ・ジョーンズも「フォスターは素晴らしいアシスタントコーチだった」と、フォスターを推していたそうです。
ちなみに、ジェイミー・ジョセフも、ジェイミーの下でアシスタントコーチをつとめたトニー・ブラウンも共にNZ出身、将来はオールブラックスのコーチをしたいと明言しているので、次回フランスでのワールドカップ後のコーチたちの行き先も今から気になるところです。
2020年のホームテストマッチのスケジュールが決定
📰 NEWS | The All Blacks 2020 Home Test schedule has just been announced!
— All Blacks (@AllBlacks) December 2, 2019
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イアン・フォスターの元、新生オールブラックスは2020年7月4日、オークランドのEden Park(イーデンパーク)で行われる、Steinlager Series(ステインラガーシリーズ)の第一戦、対ウェールズでスタートします。
Steinlager Seriesは毎年、北半球の強豪チームがニュージーランドに遠征し、行われる国際試合。
イーデンパークの後、7月11日にニュージーランドの首都、Wellington(ウェリントン)にある、Sky Stadium(スカイスタジアム)で対戦予定です。
そしてSteinlager Seriesの第三戦は対スコットランド。こちらはダニーデンで開催されます。
ステインラガーシリーズの後は、Investec Rugby Championship(インベスティックラグビーチャンピオンシップ)が開催予定! 8月15日のウェリントンでの対オーストラリア、8月29日のハミルトンでの対アルゼンチン、そしてオークランド、イーデンパークでの対南アフリカ戦が予定されています。
元オールブラックスコーチはトヨタ・ヴェルブリッツに!
日本のラグビーファンにはもう一つ嬉しいニュース。
元オールブラックスヘッドコーチのスティーブ・ハンセンが、トヨタヴェルブリッツに”ディレクターオブラグビー”として入団することに!
トヨタ・ヴェルブリッツは、ヘッドコーチにSimon Cron(サイモン・クロン)が就任したことを11月に発表していました。クロンはオーストラリアのラグビーチーム、Waratahs(ワラターズ)でフォワードコーチを務め、若手コーチの中でも有望株。
ハンセンは、そのクロンの上の立場、”ディレクターオブラグビー”となります。本人のインタビューによると、フルタイムのコーチではなく、コンサルティングをメインとしたアドバイザー的な立場とのこと。All Blacksのスクラムコーチを叔父にもつクロンはハンセンとも交流があるそう。クロンを立派なコーチに導くのもハンセンの大きな仕事の一つだそうです。
ちなみにハンセンのヴェルブリッツ入団が正式に発表となったのは12月に入ってからですが、前々から噂がありましたし、NZではすでに2019年4月20日には、ラグビーワールドカップ後にハンセンが、クロンとともにトヨタに行くことが記事になっていました。
トヨタ・ヴェルブリッツにはラグビーワールドカップ後にAll Blacksを引退したキャプテン、Kieran Read(キアラン・リード)も入団!
せっかくワールドカップで人気が出たラグビー。ジャパンラグビートップリーグも盛り上がって欲しいですね!