アルバトロスの雛すくすく成長中!3月の動物ニュース

ニュージーランドの自然保護局はアメリカ・コーネル大学のコーネル大学鳥類学研究所の協力のもと、南島のオタゴ半島南端にあるアルバトロス(アホウドリ)の巣の雛の様子を24時間Youtubeで配信しています。3月の動物ニュースでは、その配信のハイライトをたっぷりお届けします!

配信はこちら ※現在、こちらの動画はご覧頂けません

アルバトロスとは?

Albatross(アルバトロス)は日本語ではアホウドリというなんとも可哀想な名前。英語でも、Gooney bird(おバカな鳥)というニックネームがついています。人間に対する警戒心が他の鳥よりも薄かったり、着地が下手だったりするところから、アホウドリと名付けられてしまったそうです。ぜひ日本でも積極的にアルバトロスという名前で呼んであげたいものです・・・。

24時間配信されているのはそのなかでも「ノーザン・ロイヤル・アルバトロス」と呼ばれる最大のアホウドリの雛。羽は広げた状態でなんと3m以上!

アルバトロスは通常、人がいない離島に巣を作ることが多いため、人が住む本島に繁殖地があるのはここニュージーランドだけ。配信に適したネット環境があり、一般の見学も受け入れやすいため、保護活動に必要な資金が集めやすいというメリットも。ちなみにこの繁殖地の歴史は長く、エリアで初めてアルバトロスの卵が発見されたのが1919年。その後1938年に初めて雛の姿が確認されました。

雛の性別が判明

今季の配信対象となっている雛は今年の1月24日生まれ。孵化前に卵が自然保護官によって保護、孵化した後すぐ親鳥の元に戻され、配信が始まりました。アルバトロスは夫婦で子育てをするので、巣に戻されて最初の夜は父鳥が、2日目は母鳥が雛を子守。

こちらは巣に戻され、母鳥の下で守られている雛の様子。

孵化後、卵の殻に残っていた雛の血管がDNA鑑定に回され、性別が調べられていましたが、3月9日、雛が雌であることが発表されました。

この日、赤ちゃんは生まれて44日目。体重も3.5Kgとずいぶんと大きくなりました。巣で一人で過ごすのに十分安全なサイズまで成長。3月は巣で一人親鳥たちを待つ雛の姿が多くみられるようになりました。

今季は配信されている雛以外にも同じエリアで36羽の雛が孵化。残念ながらそのうちの3羽が死んでしまいましたが、雌が17羽、雄が15羽、調査中が1羽。前シーズンより5羽も多い雛たちが成長しているそうです。

着地大失敗!

3月に、というより配信が始まって以来最も話題になった場面がこちら。

雛が見ている前で盛大にすっ転ぶアルバトロス! その後何事もなかったかのように立ち上がり歩き出す姿がかわいい。

こちらは親鳥が大きなタコの足を持って帰ってきたシーン。雛鳥が必死でタコを食べようとしますが、ちょっと大き過ぎたよう。親鳥のお腹に収まってしまいました。

今後の雛鳥は・・・

3月の終わりには5.2キロに成長。体重を計りにくる保護官も、雛を持ち上げるのがすこし重そうです。

一人で巣で過ごせるほど大きくなってきた雛ですが、4月はさらに一人でいる時間が長くなるだろうと予想されています。親鳥たちが狩りに出かける期間が長くなり、数日戻ってこなかったり、戻ってきても10分ほどでまた出かけてしまうそう。

3月は羽を広げてストレッチする姿や、巣の中を歩き回る姿が見られるようになりましたが、今後はさらに行動範囲が広がり、巣の外に遊び場用に巣を作る行動もみられるようになるそうです。また、周りの若いアルバトロスたちがちょっかいを出し始めるのもこれからの時期とか。

生まれて100日をすぎる5〜6月には性別の特徴が出始めたり、気性の変化などが見られるようになり、どんどん大人の鳥へ成長していきます。7~8月には羽が生え揃い始め、巣立ちの準備が進む予定。

こちらのTwitterでは、毎日のハイライトが投稿されています。

 RoyalAlbatrossCamのTwitterアカウント

雛の巣立ちは9〜10月。巣立ちを考えるだけで寂しくなってしまいますが、それまで元気に成長してくれるよう、見守りたいと思います。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
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