昨年の今頃、アメリカの人気トークショーホスト、スティーブン・コルベアがニュージーランドを訪れた時の様子を紹介したシリーズが放送されたのをご紹介しましたが、1年以上たった先日、その第二弾が放送されました。
昨年の記事はこちら。
実は昨年の旅の間に多くの素晴らしい映像が撮影でき、本当はもっと公開する予定だったのが、新型コロナウイルスの感染拡大により公開延期になっていたとのこと。
昨年のニュージーランドへの旅を懐かしく思い出しているコルベア。世界的に国外への渡航が制限される中、ニュージーランドへの再訪も叶わないので思い出を辿る旅に出かけようと、今回公開されるに至ったそうです。
コルベアがNZとアーダーン首相を絶賛
まずはこちらの一本目。
こちらの動画では、まずニュージーランドの新型コロナウイルス感染者総数が2,000人程度、死亡者数が25人であることを紹介。これには「ホワイトハウスのクリスマスパーティーで出る感染者数くらいじゃないか」と現トランプ政権をちくり。ニュージーランドは小さな島国であることも新型コロナウイルスの抑え込みに成功した要因ではあるが、“ニュージーランドの人たち”が成功に何よりも貢献したとコメントしました。
コルベアは世界的に評価されている医学雑誌、ランセットに紹介された記事も紹介。ニュージーランドのコロナ対策成功の鍵は、判断力のある政府、政府と国民間のコミュニケーションの強さ、そして政府の打ち出した対策を遵守した国民が多かったとのことで、ニュージーランドとアーダーン首相を賞賛しました。
このビデオではバンジージャンプにトライした時の裏話も紹介。バンジージャンプの起源はバヌアツ共和国の成人への通過儀礼”ナゴール”だとされていますが、アトラクションにしたのはニュージーランドが最初。クイーンズタウン近郊のカワラウ川で始まりました。現在では橋だけでなく、スタジアムの屋上や鉄道の高架橋、崖など飛び降りる場所もいろいろです。
コルベアは、バンジーを飛ぶ直前に、スタッフが背中に手を当ててきたのを感じ、
思わず押さないで、押さないで!と言ってしまったが、そこは編集で削除した(笑)
とコメント。まさにニュージーランド訪問の通過儀礼と言うべきアトラクションでした。
マオリの儀式ハカにトライ
ニュージーランドといえばやっぱりラグビー、と言うことで、元オールブラックスの選手たちを相手にラグビーにトライしたコルベア。ラグビーだけでなく、オールブラックスが試合の前に行うHaka(ハカ)についても学ぶ姿が紹介されました。
HakaのHaは息、Kaは炎。Hakaで炎を吐く、と言う意味になります。元々はマオリ族の戦士が戦いの前に相手を威嚇する目的で踊った民族舞踊でしたが、現在では歓迎の儀式、卒業、結婚、葬儀など、いろいろな場で披露される舞になりました。
オールブラックスが国際試合前に行うハカがもっとも有名で、日本でも2019年のラグビーワールドカップ開催時には話題になりましたね。こちらはW杯グループリーグの初戦、南アフリカ戦で披露されたHaka。
このHakaはkapa o pango(カパオパンゴ)と呼ばれ、2005年にオールブラックスのために作られた特別なものです。オールブラックスは、スタンダードなハカ”Kamate(カマテ)”とこのカパオパンゴの2種類のハカを持っており、どちらが披露されるのか試合前はいつも話題になります。
コルベアのためにアレンジされたHakaが披露されたのは動画の4:35から。
ニュージーランドのプロモーションに貢献
二度に渡りニュージーランド特集を放送し、Youtubeにも10本以上の関連動画をアップしているコルベア。
実はこのコルベアと撮影クルーのニュージーランド滞在には、10万NZドル(日本円で約750万円ほど)以上の税金が投入されていたとのこと。
しかし、ニュージーランドの観光協会は、このコルベアのニュージーランド特集から、500万NZドル(日本円で約3.5億円)の効果を見込んでいるとしています。コルベアのトークショーはアメリカのかなりメジャーな番組。Youtubeの再生数からも大きな宣伝になっていることは間違いありません。
ニュージーランド観光協会は、アーダーン首相がコルベアのトークショーに最初に出演した2018年から、コルベアのニュージーランド訪問を画策していたとのこと。それが実現したわけですが、新型コロナウイルスは計算外。
海外からの観光客を呼べないのはニュージーランドの観光業界にとってはとてつもない大打撃。1日も早いワクチンの普及と、海外からの渡航解禁が待たれます。