2020年総選挙の投票スタート 安楽死と大麻の国民投票も実施

10月17日、ニュージーランドでは2020年General Election(総選挙)が行われますが、その事前投票が10月3日から始まりました。

当初は9月19日の予定でしたが、8月のオークランドでの新型コロナウイルス感染拡大をうけ、1ヶ月ほど延期に。

ニュージーランドでは3年おきに総選挙が行われ、政党と議員候補に投票ができます。議員は合計120人。与党は61議席以上を保持する必要があります。

前回の2017年の選挙では、National(国民党)が56議席、Labour(労働党)とGreen Party(グリーン党)が合わせて54議席を獲得。9議席を獲得したNZ First(ニュージーランド・ファースト党)が、労働党と連立与党を組むことを決定し、労働党率いるジャシンダ・アーダーンが首相となりました。

今回の選挙で再戦を狙うジャシンダは、首相として54%の支持を集めており、2位の国民党党首ジューディス・コリンズ23%に大きく差をつけています。

ニュージーランドの選挙権

現在ニュージーランドでは、ニュージーランド在住の国籍または永住権保持者で、18歳以上に選挙権が与えられています。ただしニュージーランド居住歴が12ヶ月以上継続的にない場合には資格がありません。

ニュージーランド国籍または永住権保持者でニュージーランド国外在住の場合は、国籍保持者で過去3年間、永住権保持者で過去12ヶ月間にニュージーランドに滞在したことがある場合のみ、選挙権があります。たとえ国籍保持者でも、過去3年間に一度もニュージーランドに滞在していない場合には選挙権が認められていません。

オーストラリア人、クック島出身のマオリ、トケラウ人、ニウエ人はニュージーランド居住が継続して12ヶ月となれば選挙権が獲得できます。聞きなれない名前ですが、トケラウはニュージーランド領の国で人口1,400人程度、ニウエはニュージーランドと自由連合の国で1,600人程度の国です。

投票の仕組み

ニュージーランドで投票するには、まず自分で有権者登録を行い、選挙人名簿に登録する必要があります。登録、または登録内容の変更はオンライン、または郵送で可能。登録はいつでもでき、選挙当日でも大丈夫。しかし、事前に登録をしておくと、EasyVote Card(かんたん投票カード)がもらえ、当日の投票がスピーディーに行なえます。

投票所は、事前投票が可能な会場、選挙日当日のみの会場、両方対応する会場がかなりの数用意されています。今回は新型コロナウイルスの感染防止対策で会場を増やし、投票期間も2日間延長。密にならない配慮がされています。どうしても選挙当日に人が集まるため、なるべく早めに投票するように呼びかけられています。

また、国中どこでも投票が可能ですが、なるべく自宅近くで投票するほうが投票までのプロセスがはやくすむとのこと。

2つの国民投票も同時に

今回の総選挙と同時に、2つの国民投票も行われます。一つはEnd of Life Choice referendum。これについては以前のニュース「ニュージーランドで安楽死を合法化?9月の国民投票で決定」を読んでみてくださいね。

もう一つはCannabis legalisation and control referendum、大麻合法化の可否を決定する国民投票です。ニュージーランドは医療用大麻がすでに合法なため、今回の焦点は娯楽用大麻。合法化された場合の、購入・使用量、販売量、使用可能な場所、課税などの細かな規制案が提示されており、国民投票で50%が賛成すると、大麻合法化が施行にむけて進みます。


選挙の中間集計は選挙日の10月17日、国民投票の中間集計は10月30日に発表、両方の最終結果は11月6日に発表されます。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
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