9月のニュージーランド動物ニュースをお届けします!
今回は鳥たちのニュースをいくつか。まずは排水溝にはまってしまったにもかかわらず、奇跡的に助かったニュージーランドの国鳥“キウイ”のお話です。
排水溝で発見されたキウイ、回復中
→Stuck in drain: Little Kiwi trapped in culvert on road to recovery(排水溝にハマった小さなキウイ無事回復中)※現在リンク切れ
先月、野生のブラウンキウイが排水溝の中でぐったりしていたところ、たまたま排水溝の検査でまわっていた人に発見されました。
'Little superstar' - Brown kiwi rescued from Taranaki culvert by Good Samaritans https://t.co/B4XYHmiF04 pic.twitter.com/BE0WKbgJxn
— 1News (@1NewsNZ) September 3, 2020
ローガン・ターナーさんが同僚と2人で、北島の北西にあるTongapōrutu(トンガポルツ)の国道3号線沿いの排水溝の定期検査を行なっていたところ、このキウイを発見したそうです。
実際にキウイを見たのは今回が初めてで嬉しかったし、びっくりしました。今まで排水溝の検査中に野生動物に遭遇したことはありませんでした。
とローガンさん。
ローガンさんはすぐに上司に相談し、その上司が環境省に連絡。キウイは環境省の保護官によって無事保護され、マッセー大学にある野生動物のための病院、ワイルドベース病院に運ばれました。
病院の責任者によると、キウイはすでに数週間にわたって治療を受け、回復に向かっているそうです。
とても嬉しいことにこの“小さなスター”は、よく食べるようになり、部屋の中を歩きまわれるようになりました。
ただ、完全によくなるにはまだしばらくかかるとのこと。そして今回の怪我が今後のキウイの生活にどのような支障をきたすかはまだわからず、自然に戻れるかどうかの判断にもまだ時間がかかるとのことです。
ローガンさんたちがキウイを発見してすぐに環境省に連絡をしたのがとてもいい判断だったと評価されています。ニュージーランドは絶滅危惧種の野生動物が多い国。傷ついた野生動物がいないか気を配り、見つけた場合はすぐに環境省に連絡するよう呼びかけられています。
こちらの記事は車にひかれたニュージーランド固有のオウムの一種、Kākāが回復に向かっている記事。
ニュージーランドでは外来種によって多くの鳥が絶滅の危機にされされていますが、車や人間が飼う犬など、人為的な脅威も問題になっています。
キウイ保護活動に1.5億円の資金
ニュージーランドで天然記念物に指定されているキウイを守り、繁殖させるため約1.5億円の資金が確保されました。この資金で野生保護地区のパトロールやキウイを見つける犬の訓練、繁殖プログラムなどが行われ、人材は新たに100人が雇用される予定です。
→Fund hopes to increase kiwi bird population to 100,000 ※現在リンク切れ
現在毎年約2%、キウイの数が減少しています。これを毎年2%増加させ、キウイを絶滅の危機から守るのがゴール。また、キウイのために破壊された自然を修復し、脅威となる外来種がいない地区をより多く確保する活動も進められます。
このままではキウイに残されている時間は少ない、と専門家が警告しています。1匹でも多くキウイを増やし、安全な自然に戻せるよう繁殖計画のスピードアップが求められています。
こちらはこの春(NZの春は9月)初めて孵化したキウイ。
もっとも絶滅が近いニュージーランドヒメアジサシ
こちらはtara iti(タラ・イティ)、ニュージーランドヒメアジサシという種類の鳥。ニュージーランドでもっとも絶滅が近いと言われています。現在は40羽もいないとか!昨年は近年ではもっとも多い数の7羽の雛が孵化。それでもたった7羽です・・・!
先月から新たに7名のメンバーが環境省のヒメアジサシを守るチームに加わり、毎日ヒメアジサシの繁殖地をパトロールを行っています。そして、このチームとトレーニングを受けたボランティアが協力してヒメアザジサシを見守っています。うまくいけば初夏(ニュージーランドの10〜11月)に卵を産み、クリスマスから年末年始にかけて孵化する予定。
保護されている繁殖地に立ち入らない、雛や巣に近づかない、犬を放たない、餌やゴミなどを放置しない(脅威となるねずみなどを呼び寄せてしまうため)・・・など、一般人ができることも呼びかけられています。
ハイタッチする鳩
こちらは生後間もなく巣から落ち、ボットさんの裏庭で保護された鳩のお話。ボットさん夫妻にフラッピーと名付けられたこの鳩は、4年経った今、パートナー鳩のミセス・フラップと出会い、たくさんの小鳩が生まれるまでになったとか。
フラッピーはすっかりボットさんに懐いており、ボット夫人が牧場の仕事をする際はついて回まわったり、肩にとまっているそう。そしてボットさん家の犬とも一緒に育ったため、大の仲良しだそうです。
さて、英語は一切読まなくて大丈夫なのでぜひ下の記事を開いてみてください!なんとフラッピーはハイタッチをするのが大好きで、その様子が下の記事内の動画で見られます!フラッピーは6ヶ月くらいに成長した頃から、フラッピーにむかって手のひらをあげると、羽根をあげ返してハイタッチするようになったとか。
最初はあげられた手から守る行為かと思われましたが、一度も羽を痛めたこともなく、楽しんでる様子。動画ではボットさんにハイファイブしたり、ボット夫人の肩にとまったり、牧場を自由に飛び回るフラッピーの姿が見られます。
[おまけ]
こちらの記事にはまだ小寒い春に、ウールの上着を着せてもらった子羊たちの写真が紹介されています。
→Orphan lambs rug up for chilly Fordell spring morning※現在リンク切れ