
初めてのアジア開催となった、ラグビーワールドカップ2019。日本代表ブレイブブロッサムズが初のベスト8に輝き、日本人のホスピタリティーの高さも評価され、大成功で幕を閉じました。
3連覇を目指していたオールブラックスは優勝を逃し三位に。勝って当たり前とされているAll Blacksにとっては正直残念な結果。NZも準決勝での敗戦後、”喪に服した”とされるほど、悲しいムードではありました。
それでも・・・
「決勝で負けて終わるより、3位決定戦で勝って終わった方が気持ちいい!」
「優勝した南アフリカには予選で勝ってるしな!」
とまあ、ポジティブなKiwi達。
気合いを入れ直しての3位決定戦は、キャプテンのキアラン・リードをはじめとするベテラン選手たちにとって、オールブラックスのジャージを着るのが最後になる試合でした。
All Blacksの選手たちはまだ現役でプレーできる間にAll Blacksは引退し、海外のラグビーチームでプレーする傾向にあります。これはもちろん海外チームでもっと稼げる、という現実が無視できませんが、「長く続けること」が評価される傾向にある日本のスポーツ界と違い、若手にどんどんチャンスを与えるという慣習もあるのです。
キャプテン、キアラン・リードはトヨタへ!
三度目のワールドカップ、オールブラックスを牽引したキアラン・リード(34歳)は、この試合でなんと21タックル!
試合後、ウェールズのキャプテン、Alun Wyn Jones(アリン・ウィン・ジョーンズ)と笑顔で会話を交わすキアランの姿が印象的でした。
11月15日には自伝”Straight 8″が発売になります。
キアラン・リードは来年からトヨタ自動車ヴェルブリッツ(TOYOTA VERBLITZ)でプレーすることが決定しています。
チームメイトで今回でAll Blacksを引退したライアン・クロッティはクボタスピアーズへ。
ちなみに2015年ワールドカップで大活躍だったダン・カーターも引き続き神戸製鋼でプレー。
優秀なニュージーランドの選手たちが日本に来るのは、見所が増えるばかりか、日本人選手たちへの刺激にもなるはず。来季のジャパントップリーグも楽しみになってきました。
大人気ソニー・ビル・ウイリアムズはラグビー界最高額でカナダへ!
日本でもプレー経験があり、このワールドカップでもフィールドに登場するたび、より大きな声援が観客席から贈られていたソニー・ビル・ウイリアムズ(34歳)。3位決定戦でも、見事なオフロードパスでトライに貢献しました。
ワールドカップ後の行き先が色々と推測されていましたが、カナダ・トロントを本拠地とするトロント・ウルフパック(Toronto Wolfpack)にラグビー選手としては最高額となる2年間1000万ドル(約10億円)で契約が決定。
ソニー・ビルはラグビーリーグ、ラグビーユニオンと両方でプレーし、7人制ラグビーでオリンピックにも出場、その上ボクシングでも活躍するスーパーアスリート。
それにしてもラグビー界では破格の年俸、それもトロントのチーム。どうやらこの契約にはNetflixへの出演も含まれているようです。トロント・ウルフパックは3シーズンのシリーズ物の制作をすすめているよう。
そもそもカナダにラグビーリーグなんてあったっけ、と思われた方も多いはず。カナダにはラグビーリーグは存在せず、British rugby league system(イギリスのラグビーリーグシステム)に参戦しています。
新たなステージでのソニー・ビルの今後の活躍に大期待。
All Blacksのお父さん的存在ベン・スミスは2つのスーパートライ!
フランスのポーへの移籍が決まっている。ベテランのベン・スミス、33歳。何度かの脳しんとうとそれによる後遺症に悩まされたこともあり、この最後の試合で2トライを決め有終の美を飾ったのにはファンも涙・・・
「何人抜いた?!」と思わず数えた1つ目のトライは、ハイライトの8:07から、そしてアーロンスミスからの見事なパスのあと、ちょっと相手の顔押しつつ走り抜けた2つ目のトライは10:40から!
ベン・スミスはAmazon Primeで配信されているAll Blacksのドキュメンタリー”オール・オア・ナッシング~ニュージーランド オールブラックスの変革~”の第一話”ブラックジャージ”の中でも特集されています。
→ オール・オア・ナッシング~ニュージーランド オールブラックスの変革~ (字幕版)
Walesとの三位決定戦は思わぬ見所も!
試合終了間近になんとAnton Lienert-Brown(アントン・リエナート=ブラウン)のパンツが引っ張られお尻が見えちゃうハプニングが・・・!
本人も写真にインスタをアップし、”Bummer🍑😅”とコメントしています(スラングでBummerは残念、Bumはお尻)
このハプニングに興奮しすぎて、この直後に試合が終わっていたのに気づかなかったという人も多かったのでは?!
そしてこのハプニング後に行われたオール・ブラックスヘッドコーチ、スティーブハンセンのインタビューでは誰もが涙・・・
インタビュー中、観客席の声援に手を挙げて応えながら涙するスティーブ・ハンセン。15年間に渡るAll Blacksのキャリアで2回のワールドカップ優勝、最も偉大なヘッドコーチの1人とも称えられるハンセンはこれまでの経験を”Just privilege”(ただただ栄誉だ)と一言で表し、フィールドを後にしました。
南アメリカ代表、Springboks(スプリングボクス)がイングランドを破り優勝
予選第1戦でAll Blacksと戦って破れた(ここKiwiたちはみんな特に強調)南アフリカ代表・スプリングボクスが、決勝でEngland(イングランド)を下し優勝。ラグビーワールドカップ優勝通算3回目となり、優勝回数がAll Blacksと並びました。
All Blacksは誰よりも早く、スプリングボクスの栄光を称え、ラグビーのノーサイド精神を世界に示しました
「フィールドでは最強のライバル、だが友人でもあるスプリングボクス、優勝おめでとう。この瞬間を1秒も逃さず楽しんで。」
ワールドカップ後、All Blacks選手たちのInstagramでは、2ヶ月ぶりにNZに帰国し、母国での休暇を楽しむ姿が垣間見られますのでファンは要チェック。特に選手のパートナーたちのInstagramまでフォローするのがポイント!リラックスする選手たちの姿がよくアップされています。
All Blacksの時期ヘッドコーチ、そしてキャプテンはだれになるのか、今後もAll Blacksニュースを追っていきたいと思います!