サイフリード ネルソン ゲヴュルツトラミネール 2024

ライチとお花の芳醇な香り

南半球は３月〜４月が秋。その頃に収穫されたぶどうで仕込まれた2024年ヴィンテージのワインが、続々と日本に入ってきています。

こちらは、僕の飲食店「ボクモ」でも人気のゲヴュルツトラミネールです。

ゲヴュルツトラミネールは、ドイツやフランスのアルザス地方で多く育てられている品種。

ちょっと長い品種名ですが、「ゲヴュルツ」＝「ドイツ語でスパイシーな」、「トラミネール」＝「北イタリアのトラミン村」と分解すると覚えやすいかも知れません。

名前の由来の通り、コリアンダーを思わせるほんのりとしたスパイス感があるのが特徴ですが、それよりも「ライチの強い香り」がすることで有名かもしれません。

ただし、どのゲヴュルツトラミネールもライチ香があるわけではなく、どちらかと言えば、白いバラやゼラニウムのようなお花の香りが強いものも多いです。

そして、どのゲヴュルツトラミネールにも共通する特徴といえば、熱帯フルーツの熟したような味わいがあること。酸味は滑らかで、口の中でジューシーなまるい旨みが広がります。

このサイフリード ネルソン ゲヴュルツトラミネール 2024も、まさにそんなまろやかさを持ったフルーティーな味わい。

香りはライチとゼラニウムの両方がしっかりと香ってきます。そして、蜂蜜や熟したマンゴー、コンポートした桃を思わせるようなニュアンスもあります。

このワイナリー「サイフリード エステート」は、オーストリア出身でドイツでワインづくりを学んだヘルマン・サイフリード氏がオーナーを務めます。

自らの故郷を想起させる品種ゲヴュルツトラミネールをニュージーランドで。そんな思いがこもったのがこのワインだと言えます。

拠点とするネルソンは、ニュージーランド北島の中でも屈指の日照量を誇る場所です。

太陽の恵みを受け、完熟したぶどうはしっかりとしたアロマを持ったワインとなります。

さらにこのワインの素晴らしいところは、目を見張るコストパフォーマンスの高さ。

ワイナリーを訪れたとき、驚いたのはサイフリードのぶどう畑の広さです。海沿いの平地に広大なぶどう畑が整備されていました。

ネルソンという小さな産地ながら、比較的大規模に栽培・醸造を行っているおかげで、この価格帯で高品質なワインを届けられていることを実感しました。

おすすめのペアリング

このゲヴュルツトラミネールには、香辛料の効いた料理がぴったり。例えば：

• スパイスカレー
• タンドリーチキン
• トムヤムクン
• エビチリ
• 麻婆豆腐

ライチや花の香り、まろやかな酸味が、スパイシーな料理と見事に調和します。
ぜひ、この魅力的なワインとともに、食卓に華やかな彩りを加えてみてください。

ワイナリー「サイフリードエステート」について

サイフリードエステート（Seifried Estate）は、オーストリアからの移民であるサイフリード夫妻によって開かれたワイナリー。

1970年代からぶどう畑を開梱し、今ではネルソン地方で最も歴史のあるワイナリーとして知られます。

出身地であるオーストリア系やドイツ系の品種を得意とし、数々の国際コンペで受賞も果たしています。

産地ネルソンについて

「ネルソン」は南島北部に位置し、年間日照時間が非常に長いことから「サニーネルソン」の愛称で親しまれています。

比較的小さなこの産地では、ブティックワイナリーと呼ばれる小規模のワイナリーがほとんどです。

豊富な日照量を活かし、主にシャルドネや、ソーヴィニヨン・ブランやリースリング、ピノ・グリなどアロマティックな白ワインが生産されています。赤ワインではしっかりとしたフルーツ感のあるピノ・ノワールが人気です。またネルソンは、ホップや果物の産地としても有名です。

サイフリード ネルソン ゲヴュルツトラミネール 2024（Seifried Nelson Gewurztraminer 2024）