樽の香り豊か　飲み口は果実たっぷり

このシャルドネ、最近、僕（ソムリエ岩須）の飲食店「ボクモ」でもグラスワインでお出ししていて、ご好評いただいている銘柄です。

ところで、ニュージーランドにおいてシャルドネと言えば、あまりにもソーヴィニヨン・ブランの圧倒的な存在感ゆえ、やや影に隠れた印象があります。

実際、ニュージーランド全体のワイン生産量を品種別に見てみると、シャルドネが占める割合は５％以下となっています。

しかしシャルドネは、なんと言っても国際品種としては抜群の知名度と人気を誇ります。ニュージーランドでも、先進技術を取り入れながらヨーロッパに負けないシャルドネづくりをしている生産者が各地にいます。

そんな中でも「素晴らしい経験と技術」を感じるノースカンタベリー / ワイパラのワインがこちら。

名門「ペガサス・ベイ」のセカンドライン「メイン・ディヴァイド」のシャルドネです。

ペガサス・ベイ / メイン・ディヴァイドのメインの白品種はリースリングです。が、シャルドネもまったく手を抜いていないことは、テイスティングをしてよくわかります。

どちらかと言えば、ニュージーランドによくあるフルーツを押し出したスタイルではなく、その他の要素を含めてうまくまとめている印象。

グラスに注いで最初に立ちのぼるのは、すももや洋梨、柑橘の爽やかな香り。そしてそこにアーモンドやブリオッシュの樽由来の香ばしいニュアンスが加わってきます。

奥深くに感じられるのは、石灰や湿った石のようなミネラル感。これが味わいを引き締めています。

ボディは厚みがありますが、しなやかな酸によってフレッシュさが保たれている印象です。余韻はミネラル豊かで、ローストアーモンドの香りが喉から戻ってきます。

「果実」と「果実以外の要素」がしっかりと良いバランスで共存している一本に仕上がったワインだと思います。

飲み頃の温度は、12℃くらい。冷えすぎていると香りがひっこんでしまいますのでご注意を。

• チキンのクリーム煮
• アボカドとグレープフルーツのサラダ
• ホタテとズッキーニのカルパッチョ
• 鯛のバターソテー（ディルを添えて）
• 豚しゃぶとレモンの鍋

こんな料理がよくあいます。

特にチキンのクリーム煮との抜群は相性です。ワインのまろやかさと料理のクリーミーさがマッチして、ワインの中にある果実味が生き生きと感じられると思います。

お試しあれ！

ワイナリー「メインディヴァイド」について

メインディヴァイド（Main Divide）は、カンタベリーを代表する名門ワイナリー「ペガサスベイ」によるセカンドブランドです。

ワイパラ・ヴァレー各地の栽培農家から調達したぶどうと自社のぶどうを使用し、醸造はペガサスベイのチームが手がけています。

メインディヴァイドでは、ソーヴィニヨン・ブランやピノ・ノワールだけでなく、南島では珍しいボルドーブレンドの赤ワインもつくっているのが特徴です。どのワインもフルーティーでありながら、しっかりとした複雑味をもったワインに仕上がっています。

「メインディヴァイド」とは、NZ南島を縦断する山脈「サザンアルプス」の愛称。冷涼でピュアな南島の気候を反映し、それぞれの地域と品種の個性を表現したワイン、という意味が込められています。

産地カンタベリー/ワイパラについて

「カンタベリー/ワイパラ」は、NZ南島の東海岸に位置し、冷涼で乾燥した気候が特徴です。

国内最大の平野が広がるノースカンタベリーは、世界でも有数の羊肉生産地域でもあり、点在するワイナリーではバラエティに富んだ品種のワインが楽しめます。

クライストチャーチから日帰りで行ける「ワイパラ」では、リースリングやピノ・ノワールなどのプレミアムワインが生み出されており、観光名所としても人気があります。

メイン ディヴァイド シャルドネ 2022（Main Divide Chardonnay 2022）