コク深い辛口リースリング

一口目よりも、グラスが進むごとにじわじわと心に染み込んでくる──そんなタイプのリースリングです。 華やかさや派手さではなく、静けさと調和を大切にしたワイン。

「わかりやすさ」では語りきれない、奥行きのある1本です。

このワインが生まれるのは、マールボロ南部の冷涼なアワテレ・ヴァレー。 中でも標高の高いエリアにリースリングは植えられています。

このエリアは風が強く、痩せた土壌で水も少ない。ぶどうの実は驚くほど小さく、過酷な環境でぎゅっと凝縮されて育ちます。

そこから少し下ると、ぶどうの粒はやや大きくふくらみ、酸の中にやわらかさが生まれてくる。

その異なる区画をバランスよくブレンドすることで、繊細で美しい調和が生まれているのです。

実際、畑で完熟前のリースリングを口にしたとき、そのしっかりとした酸が、このワインの輪郭をすでに語っているようでした。

香りは穏やかで、青リンゴやライム、白い花、火打石を思わせるミネラル感。

 口に含むと、シャープな酸と爽やかな果実味が伸びやかに広がり、余韻には澄みきったような清涼感と石のような硬質さが静かに残ります。

おすすめのペアリング

このワインの澄んだ酸とミネラルは、繊細で香り高い料理と絶妙に響き合います。 東南アジアのハーブや柑橘を使った料理、そして海の旨みを活かしたメニューと特に好相性。

• タイ風ホタテのカルパッチョ（レモンドレッシング）
• 蒸し牡蠣
• 海老の天ぷら
• 鶏肉のレモングラス炒め
• タイ風サーモンラープ（香草とライムのサラダ）
• ズッキーニとライムのパスタ

“料理との反復が楽しくなるワイン。” 派手さはなくても、飲むたびに小さな発見がある。 食事と行ったり来たりしているうちに好きになっていく。そんな一本です。

ワイナリー「 ラブブロック」について

「ラブブロック（Love Block）」は、ワインメーカーであるキム クロフォード氏と妻のエリカ氏が営むワイナリーです。

キム氏は、オーストラリアやナパ・ヴァレー、南アフリカのワイナリーで経験を重ね、1988年に祖国であるNZに帰国し、「クーパーズ・クリーク」のワインメーカーとして約10年間ワインメーカーを務めました。

1996年にエリカ氏と共に「キム クロフォード」を設立すると、その2年後にはアメリカへの輸出をスタートさせ、「ワイン スペクター」のTop100ワイナリーに度々選出されるなど、世界で高く評価されるようになりました。

しかし、2人は更なる理想を求め「キム クロフォード」を売却し、マールボロのアワテレヴァレーに「ラブブロック」を設立しました。

ラブブロックのぶどう畑は、アワテレとセントラル・オタゴにあります。アワテレのぶどう畑は、2003年にエリカ氏が見つけ出した土地で、その「眺望」と「大いなる可能性」に惚れ込み、長年の準備期間を経てワインづくりをスタートさせています。

2人が大切にしているのは、その土地の個性を表現するオーガニックなワインづくり。鶏、羊、牛などの動物や多種多様な植物と共生するオーガニックファームをつくるなど、動物や自然との共生を大切にしながら自然環境に配慮したワインづくりを行っています。そしてこのアワテレのヴィンヤードのうち「ラブブロックファーム」というぶどう畑は、バイオグロ認証を取得しています

また、セントラル・オタゴのぶどう畑は、そのエリアの中で最も暖かいベンディゴにあります。豊富な日照量のもと、水捌けの良い土壌でピノ・ノワールのみを栽培しています。

 産地マールボロについて

「マールボロ」は、NZのワイン産地の中心地です。

豊富な日照量や、1日の中での寒暖差が大きいことなど、ぶどうの生育環境にとって好ましい自然の条件が揃っており、マールボロではNZワインの8割以上が生産されています。

その中でも、キリッとした酸味と溢れる果実味が特徴のソーヴィニヨン・ブランは圧倒的な生産量を誇り、唯一無二のキャラクターとして世界で広く愛されています。また赤ワインでは、豊かなベリー系の果物の味わいが魅力のピノ・ノワールが人気です。

ラブブロック ゲヴュルツトラミネール 2023（Loveblock Dry Riesling 2023）