濃密でパワフルな骨格のあるピノ

このワイナリー「ブランク・キャンバス」のオーナー、マット・トムソンさんは、1992年からマールボロの地でワインづくりを行ってきた人物で、マールボロの特徴を知り尽くした達人。

奥様のソフィー・トムソンさんは、マールボロ地区ではじめて世界最難関のワインの資格「マスター・オブ・ワイン」を取得したスーパー才女。

この夫婦のタッグによりつくられるブランク・キャンバスのワインの中で、こちらの「セトゥルメント・ヴィンヤード ピノ・ノワール」は、新作中の新作です。

ブランク・キャンバスはこれまでにも様々なスタイルのピノ・ノワールを作ってきましたが、このセトゥルメント・ヴィンヤードという名前を冠したワインは、2019年がファースト・ヴィンテージとなります。

畑の所在地は、マールボロの中でも日照量が豊富で、なだらかな丘陵地「オマカ」。

その中にあるセトゥルメント・ヴィンヤードのピノ・ノワールは植樹密度が高めなのが特徴です。

これによって、ぶどうの木の根が地中深くまでしっかりと張られています。

手摘みで収穫されたぶどうは、50％を全房発酵させています。

ライトトーストのフレンチオーク樽で12ヶ月熟成（新樽比率35%）、さらに３ヶ月間タンク内で落ち着かせてから、無濾過で瓶詰めされています。

結果、出来上がったワインは彼らが作るピノ・ノワールの中では「もっともタンニンが豊富なワイン」となりました。

チェリーのフルーツ感がありながら、全房発酵由来の茎のニュアンス、樽の香ばしさも感じます。

フルーティーすぎないピノであり、力強さ、しっかりとした骨格を持ちつつ、全体としてはエレガントにまとまったピノ。

そんな味わいに仕上がっているこのワインは、このマールボロの特性を知り尽くした夫のマットと、世界のワイン製法が頭脳に刻まれている妻のソフィーによる努力の結晶と言えるかも知れません。

もちろん、熟成能力は高く、ニュージーランドの著名なマスター・ソムリエであるキャメロン・ダグラスは「2030年+αくらいまでがこのワインの飲み頃」と言っています。

と言うことは･･･

このワインのヴィンテージ（ぶどう収穫年）が、2019年なので、もし2019年に結婚したとか、店をオープンしたとか、会社を設立したとか、そんな記念日をお持ちの方。

10周年記念の2029年に開けたら、おそらく飲み頃のピークを迎えている可能性が高そうです。

きっと「トリュフや森の下草」のようなたまらない熟成感が味わえることと思います。

また「しっかり系ピノが好き」な方は、早めに召し上がっていただくと、その力強さが存分に味わえると思います。

いずれにしても、これから先は値上がりしていく可能性が高いと思われるNZの高品質ピノ、ぜひ今のうちにチェックしてみてください。

ペアリング

ローストビーフ、牛肉の炭火焼きなど、牛との相性が良好です。

ジンギスカンにもよくあうでしょう。

ワイナリー「ブランクキャンバス」について

ブランク キャンバス（Blank Canvas）は、ワイン醸造でコンサルタントのマット トムソンが妻のソフィーと共にマールボロで立ち上げたワイナリーです。

夫のマット氏は、2008年のインターナショナル ワイン チャレンジで、Winemaker of the Year を受賞するなどNZを代表する醸造家であり、妻のソフィー氏は2021年に世界最難関のワイン資格である「マスター オブ ワイン」を取得しています。

妥協せずに選び抜いた畑で栽培される最高のぶどうと、こだわり抜いた醸造方法でつくり上げられる彼らのワイン。ソフィーMWとのパートナーシップの下、マット氏の20年以上にも渡る幅広い経験と知識の集大成が、このブランクキャンバスで表現されています。

 産地マールボロについて

「マールボロ」は、NZのワイン産地の中心地です。

豊富な日照量や、1日の中での寒暖差が大きいことなど、ぶどうの生育環境にとって好ましい自然の条件が揃っており、マールボロではNZワインの8割以上が生産されています。

その中でも、キリッとした酸味と溢れる果実味が特徴のソーヴィニヨン・ブランは圧倒的な生産量を誇り、唯一無二のキャラクターとして世界で広く愛されています。また赤ワインでは、豊かなベリー系の果物の味わいが魅力のピノ・ノワールが人気です。

ブランク・キャンバス セトゥルメント・ヴィンヤード ピノ・ノワール 2019（ Blank Canvas Settlement Vineyard Pinot Noir 2019）