コレクション: オスラー・ヴィンヤーズ

オスラー・ヴィンヤーズの物語は、一人の医師の深い情熱から始まりました。29年間、人の命と向き合ってきたジム・ジェラム。彼の中には、完璧なピノ・ノワールを自らの手でづくりたいという、静かだが揺るぎない夢がありました。
1998年、この夢を追うために彼は大学時代の学友であり、ぶどう栽培への情熱を共有するジェフ・シノットと共に、理想の土地を探す旅に出ます。
ニュージーランドの各地を巡り、彼らがたどり着いたのは、まだぶどう栽培の可能性がほとんど知られていなかった南島ワイタキ・ヴァレーでした。
ワイタキ・ヴァレー:石灰岩が織りなす独特のテロワール

彼らが根を下ろしたワイタキ・ヴァレーは、約3800万年前に海底だった石灰岩が隆起して形成された、非常にユニークな場所。
この地は冷涼で風が強くぶどうの生育期間が長いため、果実はゆっくりと成熟し、凝縮感と繊細な酸、そしてピュアな透明感を獲得します。
また、石灰岩土壌はワインに複雑さとミネラル感をもたらすとされ、それが彼らのワインにエレガンスを与えているのです。
現在、オスラーヴィンヤーズは、北向きで、多様な標高、土壌タイプ、微気候が存在する約8ヘクタールの畑を持ち、これらが彼らのワインに豊かなニュアンスと複雑さをもたらしています。
自然との共生とこだわり
オスラー・ヴィンヤーズのワインづくりは、創業者がリンカーン大学で専門的に学んだ持続可能なぶどう栽培の哲学に基づいています。
農薬や化学肥料の使用を極力抑え、土壌の微生物や生態系を尊重。畑の健全性を長期にわたって維持することを目指し、過度な耕作を避け、地表の草も共存させることで、土地の力を最大限に引き出します。
2002年に最初のピノ・ノワールを植樹し、2004年に初のヴィンテージをリリースして以来、その品質は国内外で高く評価されてきました。
その醸造方法は、各ワインの特性に合わせて行われます。例えば、ピノ・ノワールは手摘みで収穫され、ブルゴーニュ樽で熟成(新樽比率はワインによる)。また、ピノ・グリは手摘み後に全房圧搾され、タンクや樽で選抜酵母を用いて発酵されることも。
ジム・ジェラムは「自分が理想とするピノ・ノワールをつくる」ことに専念し、大量生産ではなく、ぶどうと対話しながら丹念にワインをづくり上げています。