ボリューム感のあるソーヴィニヨン

ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランと言えば、はっきりとした柑橘類や熱帯フルーツのアロマと、とハーブやカットグラス（刈られた青草）と呼ばれるような植物の葉の香りが最大の特徴です。

全体を通したイメージは、果実の強いフレーバーとすっきりとしたハーブの清涼感。

そんなニュージーランド産のソーヴィニヨン・ブランは、他の国のものとはまったく違う個性であると言われています。

ただし、その個性というのは、正確に言えば「ニュージーランド産」ではなく、「ニュージーランドのマールボロ産」が持つものです。

最大産地であるマールボロでは、上記のような特徴を持つものが多いですが、それ以外の産地では、その枠に必ずしも当てはまらないソーヴィニヨン・ブランのワインも産出されています。

今回紹介する「メイン・ディヴァイド」のソーヴィニヨン・ブランは、その枠から少しはみ出た「ノース・カンタベリー産」。

ノース・カンタベリーは、マールボロと同じ南島に位置するものの、マールボロに比べて冷涼で乾燥しているという特徴があります。

テイスティングしてみると、その違いははっきりわかります。

マールボロ産を特徴付ける要素でわけてみると･･･

• マールボロ産のような柑橘類や熱帯フルーツのアロマ
  →　このワインにもしっかりあります
• マールボロ産のようなハーブやカットグラスのニュアンス
  →　このワインにもしっかりあります
• すっきりとした清涼感
  →　ここが明らかに違います

こんな印象を受けました。

メイン・ディヴァイド ソーヴィニヨン・ブランは、すっきり、というより、しっかり密度のある味わいなのです。

口に含むと、きれいな酸味を伴ったライムのような柑橘の風味、オレンジピールのようなほろ苦さがまず飛び込んできます。

その後、タイムを思わせるハーブの香りが鼻に抜けると同時に、オイルのようなねっとりした印象も残ります。

マールボロ産の比較的軽やかですいすい進むイメージとは違い、ボディがしっかり厚く、余韻が長く伸び、ひとくちのボリューム感があるタイプの白ワインだと言えます。

ワインの重心が低めである、という表現も当てはまるよう思います。

あわせられる食事も、軽めの前菜系よりも、魚や鶏肉、豚肉といったある程度重みがある料理の方がしっくりくるでしょう。

特に、海老のアヒージョ、ボンゴレビアンコなどの魚介＋オイルの料理がよくあいます。

また、チキンカツ、ポークソテー、ソーセージなどとも好相性です。

ぜひ、しっかりとしたメインディッシュのお供に味わってみてください。

ワイナリー「メインディヴァイド」について

メインディヴァイド（Main Divide）は、カンタベリーを代表する名門ワイナリー「ペガサスベイ」によるセカンドブランドです。

ワイパラ・ヴァレー各地の栽培農家から調達したぶどうと自社のぶどうを使用し、醸造はペガサスベイのチームが手がけています。

メインディヴァイドでは、ソーヴィニヨン・ブランやピノ・ノワールだけでなく、南島では珍しいボルドーブレンドの赤ワインもつくっているのが特徴です。どのワインもフルーティーでありながら、しっかりとした複雑味をもったワインに仕上がっています。

「メインディヴァイド」とは、NZ南島を縦断する山脈「サザンアルプス」の愛称。冷涼でピュアな南島の気候を反映し、それぞれの地域と品種の個性を表現したワイン、という意味が込められています。

産地カンタベリー/ワイパラについて

「カンタベリー/ワイパラ」は、NZ南島の東海岸に位置し、冷涼で乾燥した気候が特徴です。

国内最大の平野が広がるノースカンタベリーは、世界でも有数の羊肉生産地域でもあり、点在するワイナリーではバラエティに富んだ品種のワインが楽しめます。

クライストチャーチから日帰りで行ける「ワイパラ」では、リースリングやピノ・ノワールなどのプレミアムワインが生み出されており、観光名所としても人気があります。

メイン ディヴァイド ソーヴィニヨン・ブラン 2023（Main Divide Sauvignon blanc 2023）