世界に羽ばたく日本人の秀逸ピノ

左は、私岩須。

右は、ニュージーランドで活躍する醸造家の木村滋久さん。そう、マールボロのワイナリー「キムラセラーズ」のオーナーさんです。

コロナ前は毎年名古屋にいらっしゃって、そのたびにお会いしていました。

僕から見た木村さんはいつも「実直」。

背筋がピッと伸びていて、話しぶりはとても丁寧です。さすが元ホテルマンだなと感じます。

そして木村さんのつくるワインも、これまた実直。10年ほどキムラセラーズのワインを飲んでいて感じるのは、毎年、たいへん素直な美味しさがあるということ。

もちろん、自然の産物ならではのヴィンテージ差はあるのですが、貫かれているのは「ひとくち飲んで、ああ美味しい」という明快さです。

このピノノワールは、じんわりとした旨みが特徴。2019ヴィンテージが、イギリスのコンクール「インターナショナル・ワイン・チャレンジ（IWC）」で金賞を受賞したことから一気に注目が集まりましたが、今回新リリースされた2022年のピノも負けていません。

ラズベリーの果実味の奥に、スミレの花やクローブの実を思わせるようなニュアンスがあります。口当たりはたいへん滑らか。

飲み込むと、香ばしい樽の香りが鼻腔に戻ってきて、心地よい余韻が長く続きます。

醬油とみりんを使った和食、たとえば鶏肉の甘辛煮などにはばっちりあうと思います。

この時期の鰹のたたきにもマッチすると思います（オリーブオイルをかけるとさらに相性が良くなります）。

ワイナリー「キムラセラーズ」について

「キムラセラーズ（KIMURA CELLARS）」は、日本人・木村滋久さんによる家族経営のワイナリーです。

木村さんは、ニュージーランドでワイン醸造とぶどう栽培学を学び、現地のいくつかのワイナリーで栽培・醸造の仕事を経験したのち、2009年にマールボロで「キムラセラーズ」を設立しました。

「造り手の顔の見えるワイン」「消費者に近い距離の生産者」をコンセプトに、オーガニック農法にこだわった丁寧なワインづくりを行っています。

2018年からは念願だった自社畑でのぶどう栽培もスタート。より一層オーガニック農法にも力を入れています。

そんなキムラセラーズのロゴは、NZの象徴的な植物である「シダ（koru）」の新芽をサクラで表現したもの。シダはNZの象徴で、「新しい始まり」「成長」「調和」などを意味します。

 産地マールボロについて

「マールボロ」は、NZのワイン産地の中心地です。

豊富な日照量や、1日の中での寒暖差が大きいことなど、ぶどうの生育環境にとって好ましい自然の条件が揃っており、マールボロではNZワインの8割以上が生産されています。

その中でも、キリッとした酸味と溢れる果実味が特徴のソーヴィニヨン・ブランは圧倒的な生産量を誇り、唯一無二のキャラクターとして世界で広く愛されています。また赤ワインでは、豊かなベリー系の果物の味わいが魅力のピノ・ノワールが人気です。

キムラセラーズ マールボロ ピノ・ノワール 2021（Kimura Cellars Marlborough Pinot Noir 2021）

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