新星による見事なシャルドネ

ワインメイカーのマット・カービーは、フランス、オーストラリア、ニュージーランドでワイン産業に従事してきました。

彼がこのワイナリーの立ち上げるにあたって、メインとして選んだ品種はシャルドネです。

ニュージーランドにおけるシャルドネの生産量は全体のわずか6％。圧倒的にソーヴィニヨン・ブランが強いお国柄で、世界の大人気品種であるシャルドネは影が薄い存在となっています。

しかし、実はかねてよりワインのコアなファンからは、ニュージーランドのシャルドネには熱視線が注がれています。

まず、1993年にネルソンのノイドルフが「世界ベストワインテイスティング シャルドネ部門」で優勝。

そして、特にホークス・ベイでシャルドネの作付面積が増えていき、今では複数のマスター・オブ・ワインが90点台後半の点数をつけるホークス・ベイ産のシャルドネが続出しています。

優れたシャルドネを生み出す生産者がいるという評判は、プロの世界を中心にじわりと広まっているのです。

そこに目をつけたのが、この新ワイナリー「ヘリオ」。

「ホークス・ベイ産のシャルドネは驚くべきクオリティの高さがある。これを世界に知らしめよう。」

そんな目標を立ててこのヘリオが誕生しました。

では、そんなヘリオの主力アイテムであるシャルドネを試飲してみましょう。

まず、グラスに注いで最初に立ちのぼってくるのは、ライムのような柑橘のフレイバー。熟れた桃のニュアンスもあり、焼いたパンのような香ばしさもしっかりと感じとることが出来ます。

ひとくち味わうと、香りの中にあった柑橘類のしっかりとした酸味、そして桃や洋梨のような凝縮されたフルーツ感を感じます。

あとから追いかけてくるのは、樽に由来するローストアーモンドやバニラの香ばしさ。余韻の中には、ミネラルを彷彿とさせるような硬質な要素もあります。

フルーティーさはしっかりある。それ以外の要素も負けじとある。そして、それぞれの要素が出過ぎていない。見事なバランス感で成り立っています。

こういったバランスの良いシャルドネは、ペアとなる食事の幅は広いです。

特に相性が良いのは、甲殻類、魚介類。

• 蟹グラタン
• 海老のアイオリソース
• アサリのクリームパスタ
• 白身魚のアーモンドフラ

クリーミーさやバターのニュアンス、あるいはローストした香ばしさを加えた料理ならばとても良いペアとなります。

ニュージーランドの白ワインは、ソーヴィニヨン・ブランだけにあらず。上質なシャルドネも魅力たっぷりなことがきっと分かって頂けることでしょう。

ワイナリー「ヘリオ」について

ヘリオ（Helio）は、ニュージーランドのホークスベイ地方に拠点を置く新進気鋭のワイナリーです。

設立者のマット・カービー、サラ・リトル、デイブ・ナッシュの3名は、世界クラスのシャルドネ生産に対する情熱を共有しています。

ヘリオの誕生は、ニュージーランドワインのドキュメンタリー「A Seat at the Table」の撮影中に、マットとデイブが出会ったことがきっかけでした。

マットの妻であり、元フェルトン・ロードのワインメーカーでもあるサラを加えた3人は、ホークスベイのシャルドネの可能性を世界に示すという共通のビジョンを持っていました。

ワイナリー名の「ヘリオ」は、ラテン語で太陽を意味する「ヘリオス」に由来します。

これは、ホークスベイ地方の特徴的な日照条件がワイン造りに理想的であることを象徴しています。適度な日照時間がブドウの完璧な熟成を可能にし、結果として高品質なワインが生まれるのです。

ヘリオは、太陽がワイン造りの根源であるという哲学のもと、ホークスベイの恵まれた気候を活かし、世界に通用するシャルドネの生産に注力しています。このワイナリーは、ニュージーランドワインの新たな可能性を体現する存在として、今後の展開が注目されています。

産地ホークス・ベイについて

「ホークス・ベイ」は北島東部に位置し、豊富な日照量と比較的温暖な気候が特徴の地域で、国内で2番目に大きなぶどうの栽培面積を誇ります。

ホークス・ベイでは特にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、マルベック、シラーからつくられる赤ワインの生産に力を入れており、白ワインではフルーツ感のあるシャルドネが人気です。

また、もともとは川底であった場所が地震により押し上げられたことにより生まれた「ギムレット・グラヴェルズ」というエリアは、ホークス・ベイの重要なサブリージョンの一つとなっています。

ヘリオ シャルドネ 2023（Helio Chardonnay 2023）