エレガントなシラーブレンド

ニュージーランドワイン業界の父とも言えるサー・ジョージ・フィストニッチと、才女ミシェル・リチャードソンのタッグによって生み出された新しいブランド「オブリックス 」。

その第一弾となる赤ワインは、すこし捻りが利いています。

ニュージーランドの赤と言えば、まず圧倒的に人気があるのがピノ・ノワール。次いでメルローやカベルネなどのボルドーブレンドです。

しかし、フィストニッチが自分たちの新しいブランドとして送り出した最初の赤は、そのどちらでもありません。

それは、「シラー 」「マルベック」「ヴィオニエ」の３つの品種をブレンドした赤ワインです。

この３品種を混ぜたワインはかなり珍しいです。

シラーは、スパイス感のある濃いめの味わい。マルベックは、色が濃くブラックベリーのフルーツ感がしっかり。ヴィオニエは華やかな花の香りの白ぶどうです。

この３つの個性があわさったのが、このワイン。

シラー＆ヴィオニエのコンビネーションは、フランスの北部ローヌの伝統的なブレンドですが、このワインはそこにマルベックを加え、オリジナルの味わいを出しています。

口に含むと、ややフルボディ寄りながら、全体としては濃すぎない印象です。

生き生きとした酸味を感じられ、柔らかさもあります。アメリカンチェリーやスミレの香りの中に、ほのかに白コショウの香りが漂います。

タンニンはシルキー。実にエレガントな味わいとなっています。

アルコール度数も12.5%と、この地の赤ワインとしてはやや抑え目に仕上げられています。

ぶどうは、ニュージーランドワイン第二の産地「ホークスベイ」にある特別なエリア「ギムレット・グラヴェルズ」産です。

濃厚なワインを生み出す産地として知られていますが、このワインを飲むと、彼らが「シンプルに強い赤ワイン」ではなく「優しいタッチながら複雑さがあるワイン」をつくろうとしていることがよくわかります。

このような「濃すぎない赤」「複雑性のある赤」は、幅広い食事にあわせることができます。

ラムや牛はもちろん、鶏や豚にもマッチします。トマト煮込みやしょうゆで甘辛く仕上げたものでもよいでしょう。

ワインにほんのりとしたスパイス感が感じられるので、料理の仕上げにスパイスをかけてみてください。

ワイナリー「フィストニッチ・ファミリー・ヴィンヤーズ」について

「フィストニッチ・ファミリー・ヴィンヤーズ」は、NZの大手ワイナリーの一つである「ヴィラマリア」の創業者として、ニュージーランドのワイン業界をけん引してきたサー・ジョージ・フィストニッチによって2021年に立ち上げられたワイナリーです。

そしてチーフ・ワインメーカーを務めるのは、過去にニュージーランドトップワインメーカーを3年連続受賞した輝かしい経歴をもつミシェル・リチャードソン。彼女は直感と深い知識で、国、産地、ブドウ畑、単一畑の美しさを、ワインの中に表現します。

現在、ホークス・ベイとマールボロ各地に素晴らしいブドウ畑を所有しており、その中にはギムレット・グラヴェルズのコーナーストーンや、アワテレ・ヴァレーのバロックデールなどがあります。

産地ホークス・ベイについて

「ホークス・ベイ」は北島東部に位置し、豊富な日照量と比較的温暖な気候が特徴の地域で、国内で2番目に大きなぶどうの栽培面積を誇ります。

ホークス・ベイでは特にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、マルベック、シラーからつくられる赤ワインの生産に力を入れており、白ワインではフルーツ感のあるシャルドネが人気です。

また、もともとは川底であった場所が地震により押し上げられたことにより生まれた「ギムレット・グラヴェルズ」というエリアは、ホークス・ベイの重要なサブリージョンの一つとなっています。

フィストニッチ・ファミリー・ヴィンヤーズ オブリックス シラー マルベック ヴィオニエ 2022（Fistonich Family Vineyards Obliix Syrah Malbec Viognier 2022）