美しくエレガントなロゼ泡

このワインは、僕（ソムリエ岩須）が2022年に出会ったワインの中で「正真正銘、これぞ心躍るスパークリングだ」と思った銘柄です。

出会いは夏の試飲会場。

セシリアという女性の名前がついたそのロゼスパークリングワインは、会場でひっそりと光を放っていました。

名古屋〜東京の移動＋都内を炎天下で歩いて疲れ果てていた僕に、たいへん心地の良い癒やしをくれました。

まず、色が美しい。実に鮮やかなピンク色です。立ちのぼる泡はかなりきめが細かいです。

香りはフルーツ感しっかり。口に含むと泡がやさしく弾け、心地よい酸味が舌を刺激します。

味わいは実にまとまりがあり、すんなりと喉に落ちる。もう、疲れは吹き飛びます。

整った顔立ち、エレガントな装い。なのに、気さくにニコニコと微笑みかけてくれる貴婦人セシリア。

そんな、良いところ育ちお姉さま像が頭に浮かんできます（おっさん的発想ですみません。女性は、パリッとスーツを着こなす笑顔が素敵なイケメンを想像してください）。

そして、このワインの良さは、あわせられる食事の幅が非常に広いこと。

もともとスパークリングワインは、食前〜食中〜食後まで、いつどんな食材とあわせても馴染む力を持っています。

もちろん単体でも楽しいお酒ですよね。

ロゼワインは、これまた守備範囲の広いお酒。和洋中のみならず、エスニックにも対応する能力を持っています。

このセシリアロゼは、その良いところを兼ね備えたワイン。あわない食事を見つけるのが難しいと言っても囲んではないでしょう。

もちろん、秋の旨みがたっぷりな料理にもばっちりあいます。

鰹、秋刀魚、鮭、どれでもOK。きのこ、蓮根、サツマイモ、ジャガイモ、かぼちゃ、しっかりと受け止めてくれます。

ニュージーランドのマールボロ地方の生産者でつくる「MM（メトード・マールボロ）」という本格的なスパークリングワインだけに与えられる認証があるのですが、このセシリアはちゃんとそのMMのマークが入っております。

これは、本場シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵の方式でつくられていて、またシャンパーニュと同じぶどう品種をつかっていることの証です（セシリアロゼはピノ・ノワールとシャルドネのブレンドです）。

泡好きならば、ぜひ、冷蔵庫常備ワインリストに入れてくださいませ。

ワイナリー「アラン・スコット」について

引用元：Allan Scott

1990年にマールボロで設立されたアラン・スコット・ファミリー・ワインメーカーズは、競争の激しいワイン業界でその名を轟かせてきました。

アラン氏はワインビジネスに40年近く従事しており、マールボロで最も経験豊富なワインメーカーの一人。

1973年にアラン氏と彼の妻キャサリン氏がマールボロに移住した際、彼は新しいブドウ畑での仕事を開始しました。

引用元：Allan Scott

1980年には、アラン氏はマールボロのブドウ畑の設立を監督する重要な役職に就任。

この経験は、彼ら一家がワイン造りに乗り出す大きなステップとなりました。1975年、彼らは土地を購入し、マールボロでの独立系ワインメーカーとしての地位を築き上げます。

1990年にアラン・スコット・ワインズを立ち上げた際、アラン氏は"私たちは独立系ワイナリーの先駆けとなる一社でした"と語っています。それからの数十年間、このワイナリーは数多くの変革を経て、市場の要求に応えながら進化してきました。

このワイナリーの最大の魅力の一つは、真のファミリービジネスとしての姿です。アラン氏とキャシー氏の息子ジョシュ氏と次女サラ氏が経営を引き継ぎ、熟練した運営チームとともに会社の生産、管理、開発をリードしています。

アラン・スコット・エステートのワインは、単一畑のプレステージ・ワインを含む、最良のブドウを使用しています。1999年には、セシリア・シリーズもリリースされ、現在は3つの発泡ワインが自社畑で生産されています。

産地マールボロについて

「マールボロ」は、NZのワイン産地の中心地です。

豊富な日照量や、1日の中での寒暖差が大きいことなど、ぶどうの生育環境にとって好ましい自然の条件が揃っており、マールボロではNZワインの8割以上が生産されています。

その中でも、キリッとした酸味と溢れる果実味が特徴のソーヴィニヨン・ブランは圧倒的な生産量を誇り、唯一無二のキャラクターとして世界で広く愛されています。また赤ワインでは、豊かなベリー系の果物の味わいが魅力のピノ・ノワールが人気です。

アラン・スコット セシリアロゼ NV（Allan ScottCecilia Rosé NV）