コレクション: マーティンボロ・ヴィンヤード

マーティンボロ・ヴィンヤードは、1980年に設立されました。1980年代初頭には、地域の主要ワイナリーの一つとして、ピノ・ノワールをこの地の代表的な品種として確立する上で重要な役割を果たしています。

設立の契機となったのは、土壌科学者デレク・ミルン博士による調査報告です。1970年代後半、ミルン博士はこの地域の気候と土壌がフランス・ブルゴーニュ地方に類似していることを科学的に示し、それがぶどうづくり地としての開発を後押ししました。

ニュージーランドで最も古いピノ・ノワールの畑を保有しており、環境保全にも積極的に取り組んでいます。チーフワインメーカーのトム・ターナー氏のもと、同ワイナリーのワインは継続的に高い評価を獲得しています。

ワインづくりを支える人々

マーティンボロ・ヴィンヤードの高い品質は、経験豊富な人材と彼らの共有するビジョンによって支えられています。チーフワインメーカーのトム・ターナー氏は2024年に就任し、世界中の著名なワイン産地での経験を生かしながら、「ハンズオフ(干渉を最小限に抑える)」な醸造スタイルを実践しています。

また、ぶどうづくり家兼畑管理者であるデイブ・シェパード氏も畑の重要性を強く認識しており、「素晴らしいワインは畑から始まる」という信念のもと、日々の作業に取り組んでいます。

受賞歴

マーティンボロ・ヴィンヤードは、職人的な醸造と品質への真摯な姿勢により、国内外のワイン批評家から高い評価を受けています。

Home Block Chardonnay

  • 2015年、デキャンター・マガジンのスティーブン・ブルック氏により「ブルゴーニュ以外のベストシャルドネ」に選出。

Home Block Pinot Noir

  • スティーブン・ウォンMW(The Real Review 2023)より「濃く、真面目な紫色の果実味、ローストしたココアに近い風味に、スモーキーなウッドノート」と評価され、「10年以上かけて開花し、風格を増していく運命にある」と予測。

  • ボブ・キャンベルMW(The Real Review 2023)より94ポイントを獲得。

  • デキャンター・ワールド・ワイン・アワード2022で金賞受賞。

Home Block Sauvignon Blanc

  • ニュージーランド・インターナショナル・ワイン・ショー2022で金賞受賞。

Te Tera Sauvignon Blanc

  • ボブ・キャンベルMW(The Real Review)より「明るく、フレッシュでパンチの効いたソーヴィニヨン」と評価。

Te Tera Pinot Gris

  • ボブ・キャンベルMW(The Real Review)より「活気に満ちた、ピリッとしたピノ・グリ」と評価。

Te Tera Pinot Noir

  • ナショナル・ワイン・アワード・オブ・アオテアロア2022で金賞受賞。

  • ジェームス・サックリング・テイスティング・レポート2022で91ポイントを獲得。

  • マーク・ヘンダーソン(オタゴ・デイリー・タイムズ2023)より「優秀」と評価。

Marie Zelie Reserve Pinot Noir

  • 優れたヴィンテージでのみ極めて限定的に生産される、希少で非常に切望される高級ワイン。

マーティンボロ地域自体が世界的なピノ・ノワール産地として知られるようになった背景には、同ワイナリーの存在が大きく貢献しています。

Martinborough Vineyardのテロワール(土壌)

マーティンボロのテロワールは、冷涼な気候と水はけの良い砂利質の土壌という理想的な条件を兼ね備えています。これらはブルゴーニュとよく比較される特性であり、冷涼気候品種のぶどうづくりに最適とされています。

「ホーム・ブロック」と呼ばれる区画は、1980年に最初に植樹された畑で、現在もニュージーランドで最も古いピノ・ノワールの木が残っています。ぶどうは手摘みで収穫され、ブルゴーニュの技術を活かした醸造が行われています。

環境保全と持続可能性への貢献

マーティンボロ・ヴィンヤードは、環境への配慮と持続可能性を重視した経営を行っており、Sustainable Winegrowing New Zealand(SWNZ)の認定メンバーでもあります。

太陽光発電の導入、廃水リサイクル、輸送時のCO₂排出削減、生態系の保全など、さまざまな環境対策を実践しています。これらの取り組みは、親会社であるFoley Family Winesの企業理念の一環として、組織的に推進されています。