やさしい甘みの美しいロゼ

ロゼというと、日本ではまだ馴染みが薄いかも知れないですが、世界では「一般的なジャンル」となっている国も多いです。

特にワインの本場フランスでは、ロゼワインの消費量が白ワインを抜いていて、定番のお酒としてフランスの食文化に定着しています。特に若い世代からの支持が高いようです。

僕は若い世代ではないですが、ロゼは大好きです。日本のワインファンの中にも、ロゼファンはじわりじわりと増えている印象です。

夏が暑すぎて濃い赤ワインはしんどい。でもお肉とあわせたい。だったらロゼがいい。

食卓に１本。野菜、魚、肉、ぜんぶにあわせるワインがいい。だったらロゼにしよう。

そんな声も聞きます。

ワインバーのボクモでも、数年前に比べるとグラスのロゼワインのオーダー率が上がってきました。ロゼ好きとしては同志が増えて嬉しいです。

ただ当店では･･･

正直、まだまだ人気があるとは言えないかも。でも、紹介し続けることで、いつか良さが伝わるかもと思い、ロゼのラインナップも徐々に増やしています。

前置きが長くなりましたが、今日はそんなロゼの中でも、ほんのり甘みがあって、親しみやすいものを紹介します。

名門ヴィラ・マリアの創設者で、ニュージーランドワイン業界の父とも言われるサー・ジョージ・フィストニッチが作り出した、日本初上陸のロゼです。

ニュージーランド原産の美しい花々をイメージした「フォレストフラワーコレクション」の第一弾ワインで、ラベルにはNgaio（ナイオー）という木の花が描かれています。

使用しているぶどうは、マルベック55％、シラー45％。どちらもどっしり系の赤ワインとなる黒ぶどう品種ですが、フィストニッチのワインメーカー、ミシェルの手にかかるとあら不思議。赤いベリーの香りが心地よい、爽やかなロゼワインになるのです。

香りの要素としては、ラズベリーやストロベリーの他に、白い花の香りもあります。

口に含むと実にジューシー。香りで感じたベリーと、花の蜜のような優しい甘みが広がります。

そして、残糖度は11.0 g/Lと、ロゼワインとしては「オフドライ（ほんのり甘みがのこる）」のジャンルに入ります。

ただし、甘ったるいロゼではなく、酸味とのバランスがとれているので、食中酒としてもじゅうぶん活躍できます。

特にスパイシーなアジア料理との相性が良く、たとえばスイートチリソースで食べる生春巻きやマッサマンカレー（じゃがいもと鶏肉を煮込んだタイカレー）、プーパッポンカレー（蟹と卵のカレー炒め）は良いペアとなるでしょう。

エビチリや麻婆豆腐のようなスパイスの効いた中華料理にもよくあいます。

アルコール度数が11.5％とやや控えめなので、すいすい進むことでしょう。

アジアンや中華の色んな料理を食卓に並べてわいわい楽しむディナー。そんなシチュエーションが似合うワインだと思います。

しっかり冷やして召し上がれ。

ワイナリー「フィストニッチ・ファミリー・ヴィンヤーズ」について

「フィストニッチ・ファミリー・ヴィンヤーズ」は、NZの大手ワイナリーの一つである「ヴィラマリア」の創業者として、ニュージーランドのワイン業界をけん引してきたサー・ジョージ・フィストニッチによって2021年に立ち上げられたワイナリーです。

そしてチーフ・ワインメーカーを務めるのは、過去にニュージーランドトップワインメーカーを3年連続受賞した輝かしい経歴をもつミシェル・リチャードソン。彼女は直感と深い知識で、国、産地、ブドウ畑、単一畑の美しさを、ワインの中に表現します。

現在、ホークス・ベイとマールボロ各地に素晴らしいブドウ畑を所有しており、その中にはギムレット・グラヴェルズのコーナーストーンや、アワテレ・ヴァレーのバロックデールなどがあります。

産地ホークス・ベイについて

「ホークス・ベイ」は北島東部に位置し、豊富な日照量と比較的温暖な気候が特徴の地域で、国内で2番目に大きなぶどうの栽培面積を誇ります。

ホークス・ベイでは特にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、マルベック、シラーからつくられる赤ワインの生産に力を入れており、白ワインではフルーツ感のあるシャルドネが人気です。

また、もともとは川底であった場所が地震により押し上げられたことにより生まれた「ギムレット・グラヴェルズ」というエリアは、ホークス・ベイの重要なサブリージョンの一つとなっています。

フィストニッチ・ファミリー・ヴィンヤーズ フォレストフラワーコレクション ロゼ 2022（Fistonich Family Vineyards Forest Flower Collection Rose 2022）