初日の地獄シャンソンから始まり、2日目のアイリッシュ、そして最終日の文化祭と、音楽と飲食の共演をお届けしました。
しかしわたくし、実はイベント直前でやらかしてしまいました。がっつりと体調を崩してしまったのだ。風邪なのか、なんなのか。もしかしてちょっと前に打ったインフルエンザワクチンの副反応なのか。熱は出ないし咳もない。でも、異常にだるいのだ。
初日は、身体を引きずりながら何とか完遂。2日目の朝は倦怠感でベッドから立ち上がるのが一苦労。これ、もう終わったんじゃなかろうか。絶望の二文字が脳裏をよぎる。が、2時間ほど昼寝をしたら、あら不思議、ちょっとマシに。最終日にはほぼ復活して、無事に3日間を乗り切れました。
ふと思うと、体調が回復してきたのって、迫力ある生演奏を間近で浴びたおかげじゃないかと思う。
蜂鳥あみ太さんの地獄の底から響くような歌声。悠情さんの麗しいフィドルの調べが体の芯に届き、免疫力が高まったんじゃないかと。へたな薬よりもいい音楽の方が体調不良には効く気がする。
あと、来てくださるお客さんが楽しそうにしている様子。これもよい薬になったと思う。楽しそうな顔を見ると、不思議と力が沸いてくる。
そして体に力が戻ってきて、頭がしゃっきりしてくると、オープン当時の気持ちが蘇ってきた。
イベントを積極的にやる飲食店がつくりたい。そんな無邪気な思いだけでボクモをスタートしたんだった。
それまで飲食店経営なんてやったことがなかった。今ならなんて無謀なことをと思うが、当時は無駄にやる気に満ちあふれていて、周りなんか見えておらず、己の無謀さなんてまるでわかっていなかった。よくもまあ、荒れ狂う大海原に急ごしらえの小舟でこぎ出したもんだと思う。
でもなんとか沈没せずに(コロナの大波はまじで辛かったけど)、15年持ちこたえて、航海を続けている。ありがたいことです。
パーティーには、最近ボクモを知ってくださった方や、ずいぶん前から、中にはオープン初日から通ってくださっているお客さんも来てくださった。嬉しいことに元スタッフもかけつけてくれた。胸が熱いよ。
なんだか、この会って、自分たちのやっていることを肯定していただくための会だったのかもしれない。みんな「君の小舟、存在していて良いよ」と、わざわざ僕らに勇気を与えるために来てくれたんだと思うと、ありがたさとともに、ちょっと申し訳ない気持ちにもなったりした。いただいた勇気、これからの営業でしっかりお返ししていきたい。
3日目の文化祭、シェフとのんちゃん(シェフの親友)によるオリジナルソング、沁みました。サプライズでボクモの店名の由来になったRADWIMPSの曲も披露してくれて、うるうるきました。二人のきれいなハーモニーを聴いて、完全に体内の悪いものは雲散霧消したよ。
イベントは楽しい。そして、体調を戻してくれる。進む勇気をくれる。またやろう。元気になった体で、航海は続く。